1. 始まり ページ1
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SIDE−千鶴
「ッ__!」
物陰から覗けば、先刻私を追いかけて来た奴らは何やら他の奴を相手にしている。
ここからでは良く見えないが、どうやら押されて_
「_え?」
刀を、歯で砕いた??
見間違いだろうか、否実際に刀は砕け散って破片は地面に零れ落ちている。
ドサッ
「!」
そんなことを考えていると、目の前に人が倒れた。
そして顔を上げれば_
白髪に、それに映えるような真っ赤な目。
__その目と視線が重なった。
嗚呼、死ぬ。
一瞬でそう悟って目をギュッと瞑った。
ブンッと刀を構える音がした。
_来る。
私はこの後来るであろう痛みを想像し、さらに目を瞑る力を強めたその時__
カキンッ
金属と金属がぶつかり合う甲高い音が聞こえた。
「お嬢ちゃん、離れてて。」
目の前には黒い着物を着て、ここらでは珍しい金色の髪をお団子に纏めた女性が背を向けて立っていた。
この人が守ってくれたんだ、そう理解するのに少し時間がかかった。
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そのあとは早かった。
2人いた白髪の隊士を一瞬にしてこの女性は仕留めたのだ。
「__あれ?残念だな、僕一人で始末しちゃうつもりだったのに、先客だよ。一くん。」
「そのようだな」
「ん?しかも女の子?すごいねー、キミ。..何者?」
彼女が事を収めたあとすぐに現れたのは、浅葱色の羽織を纏った隊士たちだった。
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作者名:おさとう | 作成日時:2021年5月3日 18時