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26話(終):試衛館から去った少女 ページ32

「お、総司。
それ食べねえなら俺がもらうぞ!」

「駄目だよ新八さん。
これはAにあげるの。
はい、A。
他の人に取られないうちに食べな。」

「くれるの?ありがとう!
じゃあ総司にこれあげる!」

「ふふ、ありがとう。」

「ずりィぞ!総司!俺にもくれよ!」

「煩いなァ平助は。
ほら、これで我慢しなよ。」

「魚の骨なんかいらねェよ!!!!!!」

広間はいつもより何倍もにぎやかだった。

いつもは怒鳴る土方もAが笑っているのを見て
今日くらいはいいか、と怒鳴るのをやめた。

「はは、賑やかでいいなあ。」

近藤はいつもと同じ笑顔で皆のことを見ている。

否、少し悲しそうな顔をしている。

だがそれは隣に座っている土方にしかわからなかった。






「よし、これでいいかな。」

元々荷物が少なかったAの荷造りは直ぐに終わった。

そしてその時が来た。

原田がAの部屋に来て障子を開ける。

「A、来たぞ。」

荷物を持ったAは名残惜しそおうに部屋を出ると
微笑みながら手を差し出してきた原田の手を握り
歩き出した。

玄関まで行くとそこには川中家の夫が来ていた。

その周りには近藤土方山南沖田永倉藤堂井上が
待っていた。

原田に連れられてきたAはこれから父となる人の前に行くと
「桜木Aです。宜しくお願いします。」
と頭を下げる。

「川中勘次郎っていいます。
これからAのお父さんになるけど
初めからお父さんって呼ぶのは難しいよね?
勘次郎さんとでも呼んでくれればいいよ。」

そういってAの頭を撫でる。

Aが顔を上げて見るとその人は見た感じ
30代後半といったところか。

くしゃっとした笑顔で頭を撫でてくれる。

それがAの実の父親と重なり涙ぐむが
泣かないと約束したので寸のところで我慢した。

土方が勘次郎の傍に来て
「宜しくお願いします」と頭を下げる。

勘次郎は頷くとAの手を取る。

「じゃあそろそろ行こうか。
うちにはねAより少し上の子がいるんだよ。
Aが来るのを楽しみにしてるんだ。」

「…待って!」

行こうと言う勘次郎を止めてAは後ろを振り返る。

そこには8人の笑顔の顔があった。

「…またね!!!!」

笑顔で別れの挨拶をし勘次郎の元に戻ると
今度は自分から勘次郎の手を取る。

そしてAは試衛館から去った。

完結.→←25話:終わり



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設定タグ:薄桜鬼 , 試衛館   
作品ジャンル:アニメ
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こよーて@読み専門(プロフ) - 雅さん» 有り難うございます!よければ続きもご覧になってください( ´ ▽ ` ) (2014年3月25日 0時) (レス) id: a109a16510 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!!雅といいますこの作品、とても気に入りました!! (2014年3月24日 16時) (レス) id: 4f9fc378c8 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 終わってしまいました。泣あなたの作品大好きです。本当にありがとうです。 (2014年3月21日 13時) (レス) id: a4068e100d (このIDを非表示/違反報告)
練 白紅(プロフ) - お疲れ様です!とっても面白かったです!いきなりで、悪いですが、この作品の後(新撰組ができた後)の話を書いていただけないでしょうか?とっても気になります!他人任せですみません。 (2014年3月20日 22時) (レス) id: 583a18df1a (このIDを非表示/違反報告)
赤坂みりな(プロフ) - お疲れ様です!!よければ続きも書いていただきたいです! (2014年3月20日 21時) (レス) id: 2758a0fac7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こよーて@読み専門 | 作成日時:2013年12月31日 9時

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