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9話:雫 ページ12

「で、どうすればいいと思います?山南さん。」

沖田は相談をしに山南の元に来ていた。

「どうすれば、といわれても私にはどうにも…。」

「僕は山南さんがAに言ったらどうかと思うんです。」

「私が?」

山南は眼鏡の奥の目を少し細めた。

「ほら、今Aって山南さんに一番懐いてるじゃないですか。
その山南さんからだったらいいかな、と思って…。」

「まァ、私は全然良いですけど
今言ってしまえばいいんではないですか?」

「……え?」

山南が襖の方を見るので沖田もつられ
見ると襖の向こうには小さな影が立っていた。

「…なんの話?」

その声と共に襖がスッと開いた。

隙間からはAの小さな顔が覗いていた。

「A…聞いてたの?」

「だって、私の話してたし…。」

山南がおいでというように手を動かしたのを見て
Aはおずおずと入って山南の隣に座った。

「ほら、やっぱり山南さんが言ってくださいよ。」

Aは二人の表情からして楽しいことではないんだということを
悟り不安げな表情で二人の顔を見比べている。

「この際どちらでも構いません。
沖田くんが言わないなら私が言いましょう。」

そういうと沖田は満足そうに「はい」と頷いた。

山南がAの方を向き座り直すとAはより一層不安げになる。

「A。」

山南が憂いを含んだ表情でAの名前を呼ぶ。

「…。」

Aは山南の目をじっと見て話を待つ。

「貴女の両親は亡くなりました。」

Aの目からは透明な雫がボロボロと流れていた。

10話:本音は言えず→←8話:両親



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設定タグ:薄桜鬼 , 試衛館   
作品ジャンル:アニメ
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こよーて@読み専門(プロフ) - 雅さん» 有り難うございます!よければ続きもご覧になってください( ´ ▽ ` ) (2014年3月25日 0時) (レス) id: a109a16510 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!!雅といいますこの作品、とても気に入りました!! (2014年3月24日 16時) (レス) id: 4f9fc378c8 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 終わってしまいました。泣あなたの作品大好きです。本当にありがとうです。 (2014年3月21日 13時) (レス) id: a4068e100d (このIDを非表示/違反報告)
練 白紅(プロフ) - お疲れ様です!とっても面白かったです!いきなりで、悪いですが、この作品の後(新撰組ができた後)の話を書いていただけないでしょうか?とっても気になります!他人任せですみません。 (2014年3月20日 22時) (レス) id: 583a18df1a (このIDを非表示/違反報告)
赤坂みりな(プロフ) - お疲れ様です!!よければ続きも書いていただきたいです! (2014年3月20日 21時) (レス) id: 2758a0fac7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こよーて@読み専門 | 作成日時:2013年12月31日 9時

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