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ケイside
かれこれ数十分代わる代わる揺さぶられ続け
自然と口から出てくる声も、叫び声から嬌声に変わった。
『ごしゅじんさまっ……やら……やらあぁっ……あ''♡』
「うっせぇよ。」
『ぁっあ……ご主人様ッッ!!はやく、はや、』
「うるせぇって言ってるだろッ!!」
自分の内部に、知らない男のソレが入っている。
ご主人様はこの場にいない。助けてくれる人は誰もいない。
ガンッと頭を強く殴られ、パチパチと頭の中に機械音が走った。
っまずい……このままじゃ……。
『待って、だめ……だめこれ……これっ……!!』
「ッ、マジでうるせぇんだけど。なんだこいつ。」
「ああ、最新型だから心臓の位置になんか入ってんだって。
ソレ壊せば大人しくなるんじゃねーの?」
周りで見ていた男の1人がキッチンへ移動して、
なにかを手に持ち、戻ってきた。
「お前包丁とか……やばすぎ。」
「一番手っ取り早くていいじゃん。」
『ぃや、……ごめんなさいッ、ごめんなさいッッ!』
鈍く金色に光る刃先が俺の胸の上をそっとなぞり
耳の奥でとんでもない音量の警報音が鳴り響く。
この胸の奥にあるナニカを壊して仕舞えば、
もう二度とご主人様の声は聞けない気がして。
「っ、あ……ちょ、まって。山田から電話。」
「おー、アンドロイドちゃん山田のこと好きだからスピーカにしてやれよ。」
コソコソと何かを話し、スマホを触った後
男の1人が電話口をこちらに向けてきた。
『……もしもーし、アンドロイド人見知りしてない?』
ご主人様の、声。
小さな小さな携帯電話から響いたのは、
今も会いたくて仕方がないあの人の声。
『ご主人様ッッ……!!』
『は?ケイ、なんで泣いてんの?』
「あぁ、俺らが無理矢理えっちしたから泣いてんのよ。
お前の可愛い可愛いアンドロイドちゃん。
でもさっきから『ご主人様好き〜!』ってうるさいんだよね。」
男たちが俺に目線をやりながら、下品に笑う。
そんな心地の悪い空間の中でも、ご主人様の声だけは輝いて聞こえた。
ご主人様、お願いだからはやく帰ってきて。
……本当に、俺……もうっ……。
『……ああ、そういうように設定してあるんだよね。
セ ックスすると誰でも好きになっちゃうんだよ。そいつ。』
ご主人様の冷たい声と、
男たちの下衆な笑い声が響いたのはほぼ同時。
それから追うように、携帯の中から
ご主人様の小さな小さな笑い声が聞こえてきて
俺の瞳からは、絶え間なく水滴がこぼれ落ちた。
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ひまちぃ(プロフ) - 本日『好きだよ、痛いくらい。【×in】Part4』を公開いたしました。リクエストされていた作品も、今リクエスト中の作品も全てそちらに書かせて頂きますので、お手数お掛けするとは思いますが、そちらをご覧ください。ひまちぃでした!!!! (2022年1月10日 16時) (レス) @page40 id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» リクエストありがとうございます!!Part1.2にも記載した通りPart3の編集画面を開けなくなってしまったので😢リクエストは今作成中のPart4内で受けさせていただきます!! (2022年1月5日 21時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - というパタンが成立できるのでしょうかな。周りの人たちに好きな子ができたと宣言するLEO様、いかがでしょうか。ひまちぃさん、機会があればぜひお考えてください💓 (2022年1月5日 20時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
Nana72921256(プロフ) - ここでリクエストさせていただけませんか。私ネット音痴なので、ツクウラのDM欄を探しましたが失敗しました😢。ところで、今日大ちゃんは伊野尾ちゃんがゲームする時必ず女性キャラをするといました。ゲームで好きな女の子(ネットオカマ伊野尾)と出会った山田さん (2022年1月5日 19時) (レス) @page40 id: 151c04c7db (このIDを非表示/違反報告)
ひまちぃ(プロフ) - Nana72921256さん» いつもご愛読いただきありがとうございます!常時リクエストも受け付けていますので、機会があったら是非!! (2022年1月4日 0時) (レス) id: aaba219193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひまちぃ | 作成日時:2021年9月19日 22時