カッコイイ(デュース&ランドールside) ページ9
「大袈裟だっての。ま、ともかくこれで俺はお役御免だ。先輩、このガキンチョ頼みますよ。」
「ガキンチョって……」
トレイ先輩が苦笑すれば彼は笑っ手言った
「おーそういや2年でしたっけこれは失礼。」
失礼だなんて微塵も思ってない素振りで彼は寮長をトレイ先輩に渡した
あんなにぼろぼろだったのに本当に傷一つない
エースがつけた焦げ跡まで……
「んじゃ、俺はこの辺で。明日サボんなよエース、デュース、ユウ、グリム。」
「明日……あ!配送の日!」
ユウがそういう
確か明日が約束の日だったか
「荷物並の量じゃねぇから。鏡舎に4時集合な。んじゃよろしく。傷が早く治る飲み薬、やるからさ。」
そう言って小瓶を俺達に投げ渡すとスタスタと何事もなかったかの様に彼は去っていく
「待ってくれラドル……のそっくりさん!」
「あん?」
俺は彼を呼び止めた
きっと彼はラドルじゃない
けどだからこそ今言わないと次のいつ会えるか分からない
なら今言おう
「あの時……一緒に戦ってくれた時、凄く頼りになった。ありがとう!カッコよかった!」
「……」
豆鉄砲を食らった鳩の様な顔をする彼に僕は大声で言う
「お前が何なのかはわからない。でも悪い奴じゃない気がするんだ。だから……また会えたらお礼をさせてくれ。」
「……おう。」
彼は一言そう言って行ってしまった
「おいデュース悪い奴じゃないって何でわかるんだよ。結構悪そうに見えたんだけど……」
「……あいつは、一緒にローズハート寮長を助けようとしてくれたし魔法のサポートも……何より怪我まで治してくれた。現に悪そうに見えるだけで悪事は一つもしてない。見た目や口調で人を判断するのは良くない。」
「ご、ごもっとも……」
エースはそう言ってそっぽを向いた
よし、今日は早く寝て魔法石のブロットを抜ききっておこう
明日きっとクタクタになっているラドルの助けになる為に
ーーーーー
「……ぉ"あ"〜!」
部屋に帰り俺は扉にもたれそのままズルズルと座り込んだ
【あの時……一緒に戦ってくれた時、凄く頼りになった。ありがとう!カッコよかった!】
純粋な好意でこんなになるなんて
好かれなさすぎて耐性がない俺は顔が熱くなる
人気者になりたがっていた
だから人気者のチームに入った
そこでも確かに好意は受けた
だがそれは「人気チームに所属している俺」というブランドを見ているだけで俺自身を見られた事なんて一度たりともなかった
だから……
(カッコイイ……か……)
そんな事言われたのは初めてだった
ああ嬉しい、嬉しくなってしまう
俺はしばらく蹲っていた
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あんかけうどん(プロフ) - Aliceさん» 嬉しすぎる言葉をありがとうございます!ランドールはいいぞ……是非映画の方もご覧になってみてください。インク→ユニバーシティ→インクの順に見るのがおすすめです! (2021年12月25日 16時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - クリスマスに一気に読んでしまった、ランドールの魅力をこの小説で知れました、ありがとうございます! (2021年12月25日 14時) (レス) @page32 id: 31d32091d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年12月16日 10時