鉱石魚 ページ9
「ラドル〜このメモに書いてあるのを採ってきてちょうだい。」
「わかった！」
今日は学校がお休み
でも休日って訳じゃない
ミドルスクールに上がった僕は家業である調達業を手伝っていた
エレメンタリースクールの時もやっていたけどその時は親同伴で技術を学んでいた
トカゲ獣人の僕ら一族は手先も器用で素早く、気配の消し方も一流
そこに代を越えて独自に編み出してきた各採取法を合わせれば採れない物なんてなかった
「よーし、今日のは中々難しいな。特にこの鉱石魚。近海を泳いでればいいけど。」
鉱石魚は鉱石の如き固さを持つ美しい魚だ
食用には向かず、鱗や目玉は宝石に
骨はとびきりの強度を持つペンとなる
それがかの海の魔女が愛用していた逸品だそう
にしても教科書でみた偉人達どこかで見た気が……
というか転生してきてからの記憶がどうも薄い気がする
何かを忘れている
この世界に似通った何かを僕は知っている気がする
そして何故魔法のある世界に憧れていたのか思い出せない
一体どうして？
「……まぁいいや。今は採取に集中！海中呼吸薬飲んでと……あぁ、後はこれ。我が家秘伝の透明薬！」
これらをパッとかければステルスモードの完成だ
気配に気づけない獲物はまんまとひっかかる
おまけに姿は見えないときた
これぞ我が家秘伝の魔法薬の力
世間に出てるのは副作用が強かったりするが、うちのは時間が短いのと引き換えに副作用は無しの優れ物
おまけに短いのを補う為に魔力を込めただけ時間がプラスされる
故にスピードが重視されるが我が家系には関係ない
僕はバッと水に潜った
トカゲの僕では上手く泳げないので海中の岩場までボイドショットで飛び、地にしがみつきながら進む
少しすれば丁度鉱石魚の群れがいた
(よし！これは褒められるぞ！)
網を用意しながら脚をフルで動かしながら頑張って進む
魔法の射程圏に入ったら魔法で網を飛ばした
網は鉱石魚をしっかりと絡めとった
「よっし！」
びちびち暴れる鉱石魚、ざっと50匹はいる
「きっと褒められるぞ……！さて、それじゃ帰ろおっと……？」
Grrrrと遠くで唸り声がする
おいおい勘弁してくれよ
そっと岩影に隠れ現れるのを待つ
するとそこには巨大なクジラが現れた
(おーい！？あんなのいるなんて聞いてないぞ！？)
人二人分の身長の奴は一体何人の人を食べてきたんだろうか
人食いだとわかるのは奴が獰猛な牙を持っていたからだ
あれは肉食獣の歯で間違いない
何人か食っている
本来は逃げるべきなんだろうな
でも……
(捕ったらいくらになるんだろう……)
そんな好奇心が背中を押した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんかけうどん(プロフ) - あんぱんさん» ありがとうございます！ (9月14日 22時) (
レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - ランドール好きなのでうれしいです！ 面白かったです！ (9月14日 22時) (レス) @page28 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - 竜の騎士さん» ありがとうございます！嬉しいです！ (2021年12月10日 17時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士 - はじめまして。最初から読んでみましたが、とても面白くてすぐにハマりました！更新楽しみにしています！ (2021年12月10日 13時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんかけうどん | 作成日時：2021年11月25日 4時
