魂 ページ26
『まぁいいさ。お前が誰であろうがどうでもいい。前世での知り合いだったとしてもサリバンのまぬけやワゾウスキじゃないならさほど興味は示さない事にしたんだ。』
「え。」
あれだけ人気者になりたくてマイクを裏切り人気チームに身を寄せるほど人目に飢えていたのに
ランドールは続ける
『それに今世はすごい世界だ。モンスターっぽいのもいるが全員が人間、そして俺の姿も人間だ。』
「俺の姿って言うなよ!これは僕の体だ!」
そう言うとランドールはキレて壁に押し付けてきた
「ぐっ!?」
『話は最後まで聞け!……お前はそう思ってるようだが、本来は俺がこの体の主の予定だった。だが何故か知らないがお前の魂が先にその体に入り込み、おまけに自我まで生やしやがった。そのせいで俺はその体の主導権を失ったんだよ。そんで今じゃこのザマだ。だからその体はお前の物だが俺の物でもあるんだ。おわかり?』
「だ、だから何だっていうんだ!僕は今の生活を気に入ってる。絶対に寄越してやるもんか!」
僕はランドールを退けてそっぽを向いた
前世では結構お気に入りだったけど実際会って見ると相当捻くれてるな……ユニバーシティー時代はあんなに優しい性格だったのに
『言ってろ。だが何故俺があの時お前の体を乗っ取って出られたかわかるか?』
「え?」
そうだ、あの時!
僕は思い出す
誰かの声が聞こえて頭が引っ掻き回されて意識を失ったんだ
「あの時の声、まさかお前の!?」
『ふーん……ご明察ぅ。』
「このっ、そもそも何故あんな事を!」
『お前を馬鹿にする奴は俺を侮辱した事にもなるからだ。そのトカゲの姿は結構俺に似ている。その姿を気持ち悪いとか貶しやがって……お前も限界だったろ?』
「それは……」
確かに最近は精神が参っていた
勉強や他の事に逃げるのも限界がある
『あの時のお前は限界だった。そして俺達の魂は混ざりあうように溶け合っている。お前の精神がやられると俺の魂かお前の魂に侵食できるようになる。そうすると俺の人生、記憶がお前の中に入るんだ。そうして今のお前の自我と混ざりあい完全に一つになった時、俺は完全にその体を支配できる!』
「なっ……あがっ!?」
突然胸が苦しくなった
何だこれ……!
『俺の気分次第ではこうして……』
うっすらとランドールの手の中に小さな光が見え、それを彼は指でグリグリと押していた
まさかあれが
「魂っ……!」
『そう。こうしてやるとお前の魂は直接傷つき壮絶な痛みを与える。勿論?俺は自分のを傷つけないように調節できるがなぁ?』
クスクス笑うランドールに僕はハッとした
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あんかけうどん(プロフ) - あんぱんさん» ありがとうございます! (9月14日 22時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん - ランドール好きなのでうれしいです! 面白かったです! (9月14日 22時) (レス) @page28 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - 竜の騎士さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年12月10日 17時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士 - はじめまして。最初から読んでみましたが、とても面白くてすぐにハマりました!更新楽しみにしています! (2021年12月10日 13時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年11月25日 4時