【薄桜鬼】 君が好きだと伝えたい 【藤堂平助】

第２４幕 血縁の決別を ページ6

〜風間side〜

けれど、17歳になったその日に、Aは屋敷を出て行った。


――『私は兄様の考えには賛成できない。鬼と人間はきっとわかり合える！』

――『無理だな。忘れたのか、お前が屋敷に来るまで、人間の村でどんな目に遭ったかを』

――『それは…そう、だけど……でも！』

――『いくら人間の血を引いていると言えど、お前は貴重な女鬼だ。南雲家の許嫁と結婚し、鬼の子を儲けなければならん。
人間なんぞにうつつを抜かしている場合ではない』

――『…そんなに鬼を残すのが大事？』

――『もちろんだ』

――『兄様は…女鬼なら、誰と結婚してもいいの？！』

――『ああ』

――『そんなのおかしいよ！結婚は好きな人とするものでしょう？！兄様にだって選ぶ権利はあるし、私にだってある！
薫とは幼い頃から一緒にいたし、好きよ。薫も私のこと、好きでいてくれてると思う。でも、私も薫も夫婦になりたいわけではないの！』

――『…ではお前は、鬼が絶えても良いと言うのか』

――『そうじゃなくて！自分の想いをないがしろにしてまで鬼を残す必要は無いんじゃないかって言ってるの！
残ってくれたらもちろん嬉しいけど、無理に残さなくてもいいでしょう…？』

――『俺はないがしろになどしていない。鬼の子孫が繁栄されるなら本望だ』

――『……そう。なら、私はやっぱり兄様には賛成できない。私は私の人生を生きる。』

――『…出ていくのか、此処を』

――『今までありがとう兄様。私、兄様と遊び学び暮らしたこの10年間、とっても楽しかった。剣のお稽古も弓のお稽古も…兄様と薫と一緒だったから、頑張れた。


さようなら、っ………風間様』



その言葉を最後に出て行ったAを見て、


ああ、俺たちは他人になってしまったのかと。

もう兄と呼んではくれないのかと。


柄にもなく、少し悲しくなった。

第２５幕 前世も過去も→←第２３幕 目を閉じれば

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す