【薄桜鬼】 君が好きだと伝えたい 【藤堂平助】

第５５幕 負の連鎖を断ち切って ページ37

〜沖田side〜

「一くん…」

「何度生まれ変わろうと、それだけは変わらない」


Aが歩いて行った方をまっすぐ見つめながらそんなことを言う一くん。


一くんのAを守ろうとする絶対的な決意は、例えるならまるで姫に忠誠を誓い尽くす騎士のような。それでいて、何があろうと大事な妹のそばにいようとする兄のような。

昔からそんな感じだった。


「僕たちは…守られちゃったもんね。争いが嫌いな、優しい半鬼に」

「…ああ。俺たちが必ず守ると、そう誓ったはずなのに。……だから今世では、Aの望むことすべて、叶えてやりたい。今度こそ、平助と幸せになって欲しい。…そう、思う」


僕らのエゴなのかもしれない。

でもそれでも、今度こそ平助とA二人で幸せになって欲しいと心から思う。


別の北神Aが好きだと勘違いされている平助も。

平助が好きなのは自分じゃないと勘違いしているAも。

「僕も、思う」

このままじゃ、あまりにもかわいそすぎるから。

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