【薄桜鬼】 君が好きだと伝えたい 【藤堂平助】

第３８幕 目醒めの一歩 ページ20

平助に突然名前を呼ばれて、顔を上げた。

「へ…っ、へいすけ……？」

「A、…おれ、ッ」

「ど、どうしたの？」

「……おまえは、」

「うん…？」

「おまえは……¨へいちゃん¨の、こと…」


聞こえてたんだ。


私が、へいちゃんって言ってたこと。

……会いたいって、言ったこと。





最近の私は……平助につらそうな顔をさせてばかりだ。


「今日、夢を見たの。……へいちゃんが出てくる夢」

「…そっ、か」

「平助は…へいちゃんについて、何か知ってるの？」

「それは……」

「私…自分で自分がわかんない。会ったこともない人の顔が浮かんで、聞いたこともない名前が勝手に出てきて……もう、やだ…」


始まりは、入学式で倒れる直前に知らない人が見えた、あの日。


夕暮れの校庭で、悲しげに桜の木を見つめていた平助が知らない人に見えた、あの時から。



「A……、」

「どうしちゃったんだろ…私、おかしいね」

へらり、と力無く笑う。




「っ……先、行くね」


へいちゃんって誰？とは、聞いちゃいけない気がした。

第３９幕 臆病に打ち勝つ→←第３７幕 神様なんていない

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す