105*変化を求めるのなら ページ10
久しぶりの家族だんらんの食事に幸せを感じたり、笑ったり。
本来だったら高校一年生の私は毎日ここにいたはず。
「やはりAが居るのは良いですね」
食後の食器の片付けを手伝っていれば京兄がそんなこと言うから少し驚いてしまう。
出ていくまではよく手伝ってい、学校の出来事や風斗とのことなんかをまるで母親に相談するかのように兄に伝えていた。
『…これからは時々帰ってくる。
兄さん達も変わって来てる気がするし。』
「時々と言わずここから通学しても良いのですよ。電車でも、誰かの送迎でも行けるでしょう」
浮かんだのは寮の面々や過ごした日々。
私は思っている以上にあそこでの暮らしを好いている。
合宿はどうだろうか…私も行きたかったなぁ。
『うぅん、高校の間はあそこから通いたい。
まだ3ヶ月くらいしか一緒にいないのに、皆の事好きになった。』
「…そうですか。
貴女は風斗と双子だけあって他人と心からの距離を縮めることが苦手ですが、そうまで言える人達と出会えたことは素敵なことです。」
私の世界には風斗がいつも隣にいて、周りに12人の兄弟がいた。
だから人との関わりに重きを置かなかったのは事実。
…しかし京兄にこう言われてしまうと…
「うふふ、私がAに薄桜学園を勧めたのよ。そんな風に思えるお友達ができて良かったじゃない。」
いつの間にか側にいたひか兄はワイングラス片手にニコニコとしている。
それに対して京兄は行儀が悪いなんて怒っているけどね。
『うん、良かった。』
「こっちもあんたが行動を起こしたことで変わりつつある。要辺りは良しとしない部分もあるようだけど。
…あんたはどうなの?あっちで彼氏くらい出来たんじゃないの?」
「光!!」
京兄の血管が切れちゃうんじゃないかとヒヤヒヤするんだけど。
なんでこうも京兄、ひか兄は合わないのだろう…
って言うか…
『好きな人かはわかんないけど、色んな感情に振り回されてて…楽しいよ。』
「あら。本当寮に入れて正解だったみたい。
あんたがどんどんイイ女になっていくのが嬉しいわ。」
食器の片付けを終え、リビングで兄弟達と過ごそうと顔を出すも、鳴り出した携帯にそれを阻止されてしまう。
【千鶴ちゃん】の文字がディスプレイに映り、嬉しくてすぐに耳に当てながらバルコニーへと歩を進めた。
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黒猫の涙 - 面白いです!更新頑張って下さいo(*⌒―⌒*)oオチって決まっているんですか? (2018年4月8日 16時) (レス) id: 857950a1df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2018年3月27日 16時