兄弟に愛想が尽きました。３期 [ブラコン×薄桜鬼ssl] (ページ9)

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104*だんらんページ9

かな兄とは祈織のことを除いては和解したと思う…私の精神的に。
好意はあった、今もあるかも知れないけど、それよりも祈織のが心配そうだから。

家の付近にマスコミの姿も無く、一安心のまま車を降りれば

「あら、Aじゃない。会いたかったわよ」

ヒラヒラと手を振りながら、おかしそうに笑うひか兄がいる。

ひか兄と会うのは転校する頃が最後…って言うか！

『ちょっとぉ！私男子寮でしかもほぼ男子の学園だって聞いてなかったんだけど！』

私が転校したのはこの兄の薦めが大きい。
知り合いが働いている学園、寮もあるのよ！なんて。
って言うか寮と言うよりも下宿に近いし、なんか騙された！

「そのわりには楽しんでいるだろ？」

『…それは人が良かったからもあるけど…』

かな兄が苦笑いしつつも中に入ろうと駐車場からマンションへと移動する。
その間もひか兄だけは楽しそうで…

「新ちゃんも佐之君も面倒見がいいし人も良いから、ここならAを安心して預けられるって思ったのよ。」

『…ま、まぁ、確かに原田先生には特に面倒みてもらってるし？お兄ちゃんみたいに甘えてる自覚もあるけど…』

「そう、あんたが心許せる人間が出来たなら行かせて良かった。」

エレベーターは５階に着き、３人でリビングに顔を出せば夕飯時で殆どの家族がいた。
残念ながら風斗と祈織はいないけど…

京兄の側では絵麻ちゃんが手伝いをしていて、
チャラ声優はあず兄の側にいた。

日中にかな兄に聞いた話では仕事が忙しく帰宅時間が遅いこともあるとチャラ声優のことを言っていた。

私を見つけるや否やキラキラ目を光らせて「A～」なんて突っ込んで来る…

『…ちょっとぉ！』

「おかえりのぎゅ～☆
この前帰って来た時全然話せなかったから寂しかったんだぜ」

『…くるしい。』

こんな時風斗がいたら剥がしてくれるのに、思いの外力が強く、少し遅れてあず兄が引き剥がしてくれたけど…

嫌いじゃないって思ってしまうから血の繋がりがないを恨む。
絵麻ちゃんを抜けば面白いし私には優しいし、好きなのに…

「皆さん、夕飯の準備ができましたよ」

絵麻ちゃんの声にダイニングに進むも、いつもベタベタなチャラ声優が返事だけで…

…何があった？
それとも諦めた？

どちらにしろ精神衛生上は問題ない。

久しぶりの皆でのご飯も美味しくて、帰ってきたんだなって改めて実感した。