109*これからの話 ページ14
今は家で兄弟と過ごそう。なんて決めつつも、合宿に参加したい…という気持ちに支配されつつある。
「僕がいるのに他の男の事考えてるんじゃないよね?」
『…ほんと兄弟だよね。
そのセリフはかな兄にも昨日言われた。』
目の前には似た顔をした双子の兄、風斗がいる。
昔は本当にそっくりだったけど、風斗は段々男の子みたいに…男らしくなっていく。逆に私は女っぽい丸みが出つつある。
「キンキラが何したかわからないけど、無駄なスキャンダル騒ぎは沈静化されたみたい。
事務所も慌ただしさ無くなってた。」
『そっかぁ、なら良かった。風間様に迷惑かけてしまったから今度会ったら謝らないと。』
「別にAは悪いことしてないから謝る必要ないんじゃない。
…Aはさ、小さい頃は僕とキッズモデルしてたけど、今はモデルでたまにCM出るくらいじゃん。」
ミネラルウォーターの入ったグラスを持ちながら風斗が真っ直ぐにこちらを見る。
そういう私も手の中にはグラスがあって。
「これから先アイドルとか役者になる気は無いの?まぁ、歌は酷い音痴だから無理だと思うけど。」
『…酷い音痴って…
確かに音痴だけどさ。
うーん、私は芸能界にあまり興味がないのは知っているでしょ。事務所だって風斗追い掛けて入っただけだし。』
グラスを傾け喉の渇きを潤す。
アイドルとして求められていたり、役者をしたいと言う強い意思のある風斗とは別で
【双子の兄】と離れたくない、って感じたことをきっかけだけにずるずるとモデルをしている私。
『…来年の契約は更新しないつもりだよ。
普通の学生して大学行って、スポ魂…なつ兄みたいに普通に働きたいかな。』
母さんや兄達は如何せん変わった業種が多く、彼らを見ていると普通に働いているなつ兄の生活に憧れを抱く。
普通に働いて、いつかは結婚して普通のお母さんになりたい。
子供と毎日一緒に居れるお母さんに。
…兄は沢山居たけど、お母さんはほとんど居ないから寂しかったのかな。
「…あんたの考えも気持ちも全部分かるけど…
今回の件があって、若い世代にしか知名度がなかったAは大人世代にも注目されてるらしい。風間のお気に入りだから企業側も目をつけてるって聞いた。」
『…どういう意味…?』
「事務所としてはAを売り出したいんだよ。
だから仕事が増える。来年の契約はきっと更新しなきゃいけない。」
心配そうに話す兄に、自分も不安げな顔を見せていたと思う。
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黒猫の涙 - 面白いです!更新頑張って下さいo(*⌒―⌒*)oオチって決まっているんですか? (2018年4月8日 16時) (レス) id: 857950a1df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2018年3月27日 16時