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残されたのは手当てをしてくださっているしんぺい神殿と、ロボロ殿以外の幹部方。
ここにモニターがあることから、グルッペン殿の指示でロボロ殿が皆さんに先ほどの騒動の全てを見せていたのだろうか。
今日この日に襲撃があることを予想していたかの様な用意周到さに、グルッペン殿の先を見据える能力は侮れない。
グルッペン殿は、ご主人と仲直りをしろと仰った。
だけれど、ご主人が何故怒っているのかが分からない。
どうにも八方塞がりで、助けを求めるように幹部方に目を向けた。
しかし、誰もが労いの言葉をくれた後、自分で考えろと言って部屋を出て行ってしまった。
残ったのは、オスマン殿とエーミール殿としんぺい神殿の三人。
「みんな薄情やなぁ、悩める少年に助言ぐらいしたったらええのに」
「そうですね。自分で答えを見つける事も大切ですが、背を後押しする事も大切です」
「さっすがエーミール、教授の名は伊達やないね」
「やめてくださいよ、オスマンさん…」
床に座ったまましんぺい神殿の手当てを受けていた僕に目線を合わせるように、オスマン殿とエーミール殿が床に座り込む。
「ほんで？Aは何が分からんの？」
「ご主人のお役に立ちたかったのに、ご主人は怒っていました。
何故ですか？僕は、要らなくなってしまったんでしょうか」
「Aくんは、あの時トントンさんになんて言われたか覚えていますか？」
「離脱しろ、と」
「そうですね。では何故、トントンさんがそう言ったのか分かりますか？」
「足の怪我、があったから…？あの場で僕は、使い物にならないから…だから、ご主人は僕が要らなくなって…」
「A、ストップ。
半分正解で半分不正解や」
笑顔を絶やさないオスマン殿が、眉根を寄せて僕の手をぎゅうと握る。
何がなんだか分からなくてエーミール殿を見ても、同じような表情をしていた。
しんぺい神殿は雑面のせいでよく分からないが、雰囲気が困っているように感じる。
三人の表情の意味が分からなくて、僕は言葉に詰まりながらも捲し立てた。
僕は、僕は武器です。
この身は主の盾に、そして刃にならなければいけません。
ある程度の怪我なら耐えられます。本体が折れさえしなければ、戦えるんです。
僕には、それしか出来ない。僕は、刀は戦うための道具だ。そんな僕が出来ることは、ご主人のために、戦うことです。
僕の存在意義は、それだけなんです。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
