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〜第四話〜 ページ6

甘い匂いがする

私が好きな匂い

匂いで目を覚ますと、そこは四番隊だった。

横を見ると、机に金木犀が飾ってある。

甘い匂いの正体はあれだ。

ボーとしながら金木犀を見つめていると、ガラガラと扉が開いて誰かが入ってきた。

「あ!天竜さんおはようございます!」

「虎徹隊長…おはようございます。」

「天竜さん、四日も寝ていたんですよ。」

「え、そんなに…」

「傷も深くて、あと少しでしんじゃうところでしたよ」

虎徹隊長がテキパキと検査をしていく

「よし。傷の方はだいぶふさがっていますから、三日程度休めば復帰してもらって大丈夫です。」

「はい。ありがとうございます。」

失礼しましたと言って虎徹隊長が出ていく。

静かになった病室で、あの虚たちのことを考える。

なぜ、なんの霊圧も感じなかったのか。

一体一体と戦えば、あいつらは雑魚のはず

霊圧を隠すなんてことができるのだろうか。

ヒントも何もない状況で考えるのは、少し厳しかった。

「わかんないなぁ…」

「何が分からないの?」

後ろから急に声がして振り返ると、そこに金木犀を持った雄大がいた。

「雄大…。びっくりさせないでよ。」

「ごめんごめん。ノックしても返事なかったから。」

そう言いながら元々花瓶に入っていた金木犀と、持ってきた金木犀を入れ替え始めた。

「で?何が分からないの?」

「この前の虚のこと。私たち、何の霊圧も感じなかったでしょ?なんでかなーって考えたけど分らなかったの。」

「それについては僕たちがもう少し調べておくよ。紅葉は休んで。」

雄大は金木犀の入れ替えが終わると、ベットの近くにあった椅子に座った。

「あのね、紅葉。紅葉に伝えないといけないことがあるんだ。」

「ん?なに?」

雄大は一枚の紙を出し、私に渡してきた。

「これ、斑目副隊長から預かってきたんだ。」

私は紙を開いて中身を確認してみた。


十一番隊第四席 天竜紅葉

十番隊第三席への移動を命ずる

「え?」

「詳しいことは僕にも分からない。でも、怪我が治り次第、十番隊へ移動だって。」

「そんな…」

私は目の前が真っ暗になった

あれだけ憧れた十一番隊を離れるなんて

「…分かった。ありがとう雄大。」

「え?」

「私がいなくなるから寂しいーって言って泣かないでよ!」

そう言って笑った

「泣くわけないじゃん!」

雄大も微笑む

少し話すと、雄大は仕事が残ってるからと帰っていった


ーーー
冬獅郎あと少しかもです!

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作者名:稀代 | 作成日時:2019年10月5日 16時

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