〜第十七話〜 ページ19
席に戻って、おつまみを食べていると、左に座っていた男性に話しかけられた。
「なぁ、お前、ホントに元十一番隊か？」
「え？はい、そうですが…」
その男性はよく見れば九番隊副隊長の檜佐木修兵さんだ。
私はそんなに弱そうに見えるのだろうか…。
「なんか、すごい細いな。もう少し筋肉ついてるかと思ってた。」
「ちょっとはついてますよ！筋肉がつきにくい体なんです！多分。」
「なんだそれ。」
そう言って微笑む檜佐木副隊長
その微笑みが、大好きだった一番上の兄にそっくりだった。
「お兄ちゃん…」
あまりにも似ていたため、思わずそう呟いてしまった。
「お兄ちゃん？お前、兄弟いるんだな。」
「あ、はい！訳があって縁を切ってしまったのですが、一番上の兄が大好きなのです。」
そういって少し兄を思い出す。
「そうなんだな。」
そう言って檜佐木副隊長が微笑みながら頭を撫でる。
久しぶりに男性に頭を撫でられたので、私はそれだけで顔が赤くなってしまった。
「照れてんのか？かわいいなー」
そう言ってさらに頭を撫でる檜佐木副隊長
そろそろ恥ずかしさで死んでしまう…！と思ったとき、松本副隊長の声が響いた
「あー！修兵が紅葉にセクハラしてるー！！しゅーへーのへんたーい！！」
あまりにも大声で言うもんだから、その場にいた全員がこちらを向いた。
「え、あ、いや、違いますよ！！ただ頭を撫でていただけで…」
な？と言いながらこちらを向く檜佐木副隊長
少し、いたずらをしてみたくなってしまった。
泣くふりをして、こういってみる
「檜佐木副隊長が、いろんなところ触ってくるんですー！！」
「て、天竜！！」
あはははと笑うと、檜佐木副隊長がみんなにいじられ始めた。
それを見て、私はさらに爆笑する。
涙が出るほど、お腹が痛くなるほど、大笑いした。
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作者名：稀代 | 作成日時：2019年10月5日 16時
