〜第十話〜 ページ12
嬉しいと思ったのもつかの間
心地いい雰囲気は一人の隊士によって壊された。
「はっ!十一番隊で役に立たねぇって思われたから、十番隊に来たんだろうな」
少しドキッとした。
私もそうなのかもしれないと思ったからだ。
「女が十一番隊なんて無理だろ」
そう言いながら笑う。
私は悔しかった。
ここでも弱いと言われてしまうのか。
弱いと言われないために、十一番隊に入ったのに
悔しさで涙が出てきてしまった。
だが、ここで泣いたら一層馬鹿にされてしまう。
耐えなくては。
「なんで三席に移動なのかも理解できねぇわ。何の努力もしてねぇのによ!」
「努力してない…?」
そんなことはないはずだ。
今までたくさん努力したはずだ。
何も知らないくせにずけずけと物を言う
うるさい
「お前は天竜のこと何か知ってるのか?」
口を開いたのは隊長だった。
「俺も天竜のことは分らねぇ。松本だって分からねぇ。なのに、お前は分かるのか?」
「そ、それは…」
「四席のお前にとって、入ってきたばかりの天竜が三席になるのは面白くねぇかもしれないが、その言い方はないんじゃないか?」
「はい。申し訳ありませんでした。」
「俺じゃねぇ。天竜に謝れ。」
まさか、ここまでしてくれるとは思わなかった。
実はとても心が温かい人なのかもしれない。
そう思った。
「ねぇねぇ!そんなに紅葉が気に入らないなら、いっそのこと勝負しちゃえば?」
雰囲気をぶち破ったのは副隊長だった。
「どっちの方が強いのか確かめてみましょうよ!!紅葉のことも少しは知れるだろうし!」
ね!という副隊長に私はあまり乗り気ではなかったが、相手の方が乗り気なのでその流れになってしまった。
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作者名:稀代 | 作成日時:2019年10月5日 16時