第47話 ページ48
翌朝、
床で目を覚ました征十郎。
征「ん…?」
A「スーー…zzz……」
昨夜、征十郎に膨大な迷惑をかけたAは、
就寝中に彼をフッ飛ばしていた。
征「……………」
すぐに叩き起こして叱ろうとした征十郎だが、
布団は、ちゃっかり全部自分が持ってきている事に気が付き、起こすのをやめた。
征「安らかに眠ってくれ。」
それだけ呟くと、お供えするように
布団をAに掛けた。
ひとり静かに朝食を済ませた征十郎は、
朝から趣味を楽しんでいた。
A「お早う。ここにいたのか。」
まだ少し背後を気にしながら
馬に乗っている征十郎の元へ寄るA。
征「目覚めたか……」
A「………部活へ行かなくても良いのか。」
征「向かうにはまだ早い。」
A「そうか。………馬?」
馬を見つめるAに、
征十郎は自慢気に話し出した。
征「見ろ。」
征「僕がお腹を蹴ると馬は歩き、足を止めれば馬も止まる。」
征「従っている…。どうだ。可愛いだろう?」
そう言いながら、馬に乗ってAの周りをクルクル歩き回る。
A「…お前、将来車に乗って、アクセルを踏んだら進み、ブレーキを踏んだら止まる。従っている。どうだ、可愛いだろう?とか言ってそうだな。」
と言いながらも彼を羨ましそうに目で追うA。
征「車は従って当然だ。」
征「馬は少なからず意志を持っている。にも拘らず僕に従う。実に愛らしいよ。」
A「確かに、魅力的だ。………私も乗ろう。」
趣味の理解者が身近にいた事に驚いた征十郎。
彼の心は少しだけ華やいでいた。
征「ふっ……良いだろう。」
征「まずは…」
A「どけ。ひとりで乗る。」
征「極めて危険だぞ。」
征十郎の忠告をガン無視し、
足首を掴んで彼を馬から強引に降ろすA。
征「危ないだろ…」
A「馬だ……」
パァァァァアっと表情を明るくするAは、
よじ登るようにして馬に跨がった。
彼女は浴衣のまま来たことに後悔しつつ、
高い位置から征十郎を見下ろして大興奮していた。
いつも以上に品のある声で征十郎に問う。
A「おい庶民。この子の名はなんだ?」
征十郎は反発することなく、淑やかに答える。
征「セジュロ2号だ。あまり苛めてはいけないよ。」
A「セジュ………セジュロ2号って…テツヤ2号の模倣か。」
征「いいや、テツヤが真似をしたんだ。」
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優花(プロフ) - まさかのディズニーでのやりとりが面白すぎて腹筋破壊しそうですwwこの作品好きです!応援してます! (2015年12月1日 22時) (レス) id: 36a528e68e (このIDを非表示/違反報告)
はきら(プロフ) - RIRIさん» ありがとうございますm(__)m♪!!頑張ります! (2015年2月24日 21時) (レス) id: d8c38e0ae0 (このIDを非表示/違反報告)
RIRI(プロフ) - 面白いです!最高です!ギネス級www頑張ってください! (2015年2月24日 18時) (レス) id: b6ae059394 (このIDを非表示/違反報告)
はきら(プロフ) - 黒子えれな☆さん» どっちでも大丈夫ですよ(^q^)コメントありがとうございました(^q^)嬉 (2015年2月21日 0時) (レス) id: d8c38e0ae0 (このIDを非表示/違反報告)
黒子えれな☆(プロフ) - はきらさん» コメントする方間違えちゃいました-(^q^)-ハァン!!ほんとは続編のほうにやろうとしてました(^q^) (2015年2月21日 0時) (レス) id: 2e709de854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はきら | 作成日時:2015年2月1日 20時