【名探偵コナン】続・初デート先で大事件とか聞いてない【赤井秀一/ギャグ】

#373:夕日が綺麗なうちは ページ42

「これ以上の仕打ちはもう許して下さい、どうかモーニングポエムだけは、モーニングポエムだけは……ッッッ！！」
「親の仇か？」


　あ、ありのまま今起こった事を話すぜ……！目が覚めたら、顔がいい男の膝の上でポエムを囁かれていた。現場からは以上です。は？イケメンだからってやっていい事と悪い事がある。


「ここどこです？家じゃなさげですけど」
「気になるなら出てみればいい。眠気覚ましにもなる」
「ハッもしかして、この寄り道もさっきのも私が爆睡キメてたせいで……！？」
「……帰るまでにまた寝たら同じ事をするつもりだが、」
「うわあ〜い私お外出るのだぁい好き★」


　ドアを殴り飛ばす勢いで開けながら車を飛び出した。


――

「……わあ」


　一瞬強い風が吹き、閉じた目を開けば、黄昏の空と夕焼けに照らされた都市が一望できた。
それを見つめるAの表情は一気に華やぐ。車のキーを閉めた沖矢も着いて来た。


「綺麗〜」
「……気に入ったのか？」
「もっちろん！」
「……沖矢昴(この姿)になってから見つけた場所だ」
「へえ〜！」


　Aが声に反応して振り返ると、赤井は前方の輝く夕日と茜色の空は対象的に、既に濃い夜の色を背負っていた。


「(あ、煙草の匂い)」


　夕暮の空にも似た、仄明るい髪を風で揺らしている隣の存在から、煙の香りを仄かに感じ取る。
Aの視線と原因に合点がいったのか赤井は「ああ、」と言葉を続けた。


「お前が起きるまでに一本だけ、な。気になるか？」
「いえ！この位ならへーきです」


　夕闇を背に煙草の香りを纏うなんて、つくづく絵になるなあこの人。絶対変装解いてやっても様になる……と思いつつ、Aは景色の方に視線を戻した。


「……」


　赤井は目の前の景色から、Aの方に視線を移す。
風でふわふわと揺れる髪を眺めていれば、その表情は普段とは違って沈んでいることに気がついた。

　普段の、くるくると表情を変え言葉を紡いでいる姿と比較してみても、彼女が今何を思い、何を考えているのか。推理することは出来ても、確かな事は一つも読み取れない。
知らない内に、自分は随分と彼女の態度に甘えていたらしい。と苦笑した。


「A」
「はい？」


　声をかけさえすれば、表情は普段の明るさを取り戻すA。それを尻目に赤井は続けた。


「もう大丈夫か」
「？？」
「……泣いていただろう」
「あ〜……ま、まあ一応？」
「そうか」


　きょとんとした顔のAだったが暫くして、今のは赤井なりの気遣いだと理解した。

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本日の名言！

そんな顔をするな…それとも俺の保証だけじゃ不安かな？《赤井秀一》

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