【名探偵コナン】続・初デート先で大事件とか聞いてない【赤井秀一/ギャグ】

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「……昴さん」
「ん？」


　場所はようやく東京駅。
片道分しかないミステリートレインが強制的に途中停車したために希望客は停車した駅から出発駅まで戻れるよう、手配がされていたらしく……

　いやそれはもういい。問題はその東京駅の大型コインロッカーから沖矢昴が取りだしてきた、とある荷物であった。


「このデカ……ステキなトランクは何ですか！？」
「有希子さんからだ。メールでここだと言われた」
「さいですか……持ち帰って欲しいLA(ロサンゼルス)での私物とかですかね」
「メモが挟まってるな」

“Aちゃんに似合いそうなお洋服追加分♡”

「ワア(絶句)」
「部屋に入らなかったら、適当な空き部屋を収納にしていいとも書いてあるぞ」
「2部屋目の解禁……居候の分際で……！？」
「ふ、豪勢じゃないか」


　Aは純粋に恐怖した。
置いていく訳にもいかないから持ち帰るしかないんだけど……にしたって有希子さん、私に洋服贈り過ぎでは！？毎月宅配でも届いてるし！！


「お……女の子って怖ァ……」
「お前も女の子じゃなかったか？」


　トランクはAが持つことになり、カラカラと引き摺りながら沖矢の愛車(SUBARU)の待つ駐車場まで辿り着いた。

　キャリーケースをトランクに詰め込んだ沖矢は、いつも通り助手席に乗ろうとするAを見て動きを止めた。


「……A、お前は後ろに乗った方がいい」
「へ？」
「組織のメンバーに接触したんだ。家に入るまでは見つからないようにしておけ」
「なるほど……じゃ、寝そべっときます？」


　沖矢はコクリと頷く。
了承を得たAは何時ぞやの風邪をひいた時のように、シートの背もたれではなく座面にぽすんと上体を預けた。


「はあ〜っ……」


　お疲れ、私ッッ！！いやあ規模がデカかっただけに今回は長丁場だった。乗車から下車するまでの……色々も。モチロンその後の事情聴取も。


「じゃあ出るぞ」
「ふぁ……」


　……絶対すぐ寝ちゃうだろうなあ。秀さんに申し訳ない……


「……スー……」
「案の定秒で寝たか……」


　沖矢は事情聴取中、頻繁にこっくりこっくりと船を漕いだり、よろけたりしていたAの姿を思い出す。そのまま倒れてしまうのではという時もあった。

後部座席で寝るように指示したのは本人に説明した理由もあるが、一番の目的はAを直ぐに休ませることだった。

　なるべく長い時間休眠を取れるように……と、暫く考えた結果。
沖矢は、普段の直帰ルートとは違う、別の道に車を走らせていった。

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本日の名言！

そんな顔をするな…それとも俺の保証だけじゃ不安かな？《赤井秀一》

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