【名探偵コナン】続・初デート先で大事件とか聞いてない【赤井秀一/ギャグ】

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「……A！」
「おまたせー！」

呼ばれたAがハッとして振り返ると、普段とは気の入れ具合が異なる出で立ちの沖矢と有希子がやってきた。

「忘れたものは無いな？」
『はい！！変装道具以外なら命ひとつあれば十分ですよ……ね？』
「そんなに心配ならもうひとつくらい拾ってこい」
『どこから！？』

少し後ろで、有希子は目の前の光景を両手の親指と人差し指で囲み、満足そうに眺めていた。

「んふふふ、我ながらイイ感じだわ……並べるとさらにイイわね……」
『エァッ……そ、そうなんデス？？』
「当然よ！！まず昴くんをクールな紫と黒で固めて、そしたら隣に立つAちゃんは補色の黄色でとーぜん決まりでしょ？黒いトップスと合わせても大人っぽくなり過ぎず丁度いいし、無邪気さをイメージさせるカジュアルさも残したいからピッタリ！！でも折角のこういう機会だから少し背伸びもさせてあげたくて靴と装飾品は」
『ちょちょストップ！文字数が多いです！！』
「あん、まだ3倍は語れるのにぃ……」

確かに、自分が普段外を歩き回るような服ではないことは分かる。
いつものローファーと違って踵の高いハイヒールだし、髪だって少々手の込んだ結い方をされている(有希子のせい)。
この格好ならちょっとしたパーティーにも出られそうな気がする。鏡を見てないからよく分からないけど。

「Aちゃんはファッションに頓着無さすぎよ？折角素材がいいのに勿体無い！」
『ええ？？着飾って浮かれるのは安全が確認されてからで十分です！そもそも私なんか服に着られちゃってるかも……どーです昴さん？』
「……ああ、似合ってる」
『ヨーッシ』

黙っていれば何処ぞの令嬢に見えなくもない、と続けた沖矢の返事を社交辞令として受け取ったAは、とりあえず滑稽な格好になってない事は理解し、胸をなでおろした。

『……わあ！』

ホームに出ると、これから乗る機関車……ベルツリー急行が目の前の視界いっぱいに広がる。蒸気が至る所から吹き出し続け、辺りは白い靄がかかったよう。
一瞬視界が悪くなるが、小さな歓声をあげたAが鮮やかな色のスカートをひらめかせて駆け出していったことはすぐに分かった。

『すごい、すごいすごい！かっこいー！』
「……」
「あらあら、Aちゃんたらはしゃいじゃってえ！」
『ハッ！』

我に返って慌てて2人の所へ戻ったA。

『ご、ごめんなさい！こういうお出かけって初めてで！来たのは遊ぶためじゃないって分かってるんですけど』
「フッ、いいんじゃないか。お前らしくて」
『なぜ頭を撫でる……ッ！！』

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本日の名言！

そんな顔をするな…それとも俺の保証だけじゃ不安かな？《赤井秀一》

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