【名探偵コナン】続・初デート先で大事件とか聞いてない【赤井秀一/ギャグ】

#344 ページ13

「また後でね〜ん！」
「は〜い。やれやれ……」


　いやはやホンットに自由だなあの人……
Aは苦笑しながらその光景を見送った。


「あ」


　そんな時、鮮やかな景色をいっぱいに取り込んでいた窓から一切の光が消えた。どうやらトンネルに入ったらしい。窓には鏡のように映る自分しか見えなくなった。車輪が線路を通る音も、先程より篭って聞こえてくる。


「(真夜中になったみたいだな……)」


　直前までのそれとは全く違う光景に、Aは一種の感嘆を覚える。
乗車してからも何度かトンネルに入ったことはあったが、今回はどうやら随分長いトンネルのようだ。
そのまま窓の方をぼんやり眺めていると、タ、タ、タ……と、前方から誰かが走ってくる足音が微かに聞こえてきた。


「(ゲッ、どうしよ！？隠れた方がいいのかこの場合！？)」


　Aはあたふたと焦り始めた。殺人現場である例の8号車の方向からやってくる人物といえば、自ずと殺人犯or死神(コナン)orそれ以外に絞られるからだ。

1番最後ならいいけど……それ以外最悪が過ぎるのでは？ 殺人犯はシンプルに怖い。死神は死神だから怖い。ハズレふたつがあまりにも嫌すぎるしこんな三択問題はイヤだランキング上位(米花町調べ)に決まっている。などという冗談は置いておきまして。

　冷静になって考えてみれば、今頃はまだ捜査がひと段落した頃だろうから、「名指しされた犯人が自暴自棄になって飛び出してくる(そしてほぼ蘭にボコられる)」というパターンはあまりないと考えにくい……多分。まあ来てもジークンドーで何とかできるから大丈夫……多分！！


「(まっ、ホントに死神が来ても別にいいしね。私の精神値が減るだけだし！)」


私のSAN値がピン値になろうと哀ちゃんの元に無事辿り着けたらそれでよかろうなのだ。
Aは意気込んでふんすっ、と鼻を小さく鳴らし、一応の警戒はしつつも、隠れたり姿勢を変えたりはしなかった。


「！」
「……」


扉から駆け出してきたのはクセのある黒髪に特徴的な緑の目をした、青年……と見間違えそうな風貌の女の子。
って、ほぼ間違いなく真純ちゃんでは……！？

真純ちゃんはそのまま私の横を走り抜け……ようとする前に、不意にピタリと止まって私の事をまじまじと見つめた。


「キミ……ひょっとして……あっ！？A！？」
「そだよ。やほ！」
「えっ、……ホントにA？？」
「ほんとだってば」

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本日の名言！

そんな顔をするな…それとも俺の保証だけじゃ不安かな？《赤井秀一》

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