蝶の舞う呪い【呪術廻戦】 (ページ32)

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虎杖「でも、あの時」

＿＿「私はここに残る」

＿「そもそもここに虎杖1人残すのは賢明じゃない」

＿＿「勘違いしないで、別に貴方の為じゃないから

私が、私の頭で、1番最善だと思う選択をした」

＿＿＿＿＿＿…ただそれだけだから。

虎杖「あぁ言ってくれた事、嬉しかったんだ

すんげぇ嬉しかったし、安心もした

例え俺の為じゃないとしても。

置いてけって言っときながらダサい話だけどさ」

自分で笑いながら虎杖は言う

虎杖「ありがとな、一緒に残ってくれて

宿儺喰った時もお前は居ないのに

あの蝶すげぇ強くて頼りがいあってさ、

今もすんげぇ安心する、

＿＿蝶狐が居ると俺も頑張れる」

一切曇りのないその瞳に

偽りなんて米一粒分もない言葉に

Aの目が揺れる

＿＿動揺

＿＿困惑

＿＿混乱

＿＿戸惑い

分からない、こんな目は

こんな無垢な目は、向けられたことがない

私に向けるべきじゃない瞳、

ただひたすらに優しさが溢れる瞳、

＿＿＿＿止まない心悸

虎杖「？蝶狐？」

そう聞いても反応は返ってこない

Aの作り出した蝶が煙のように解けて消える

虎杖「！！蝶狐！！」

話している間に

攻撃の準備を整えた特級が

唖然とするA目掛けて腕を向ける

虎杖が咄嗟に抱えるが

そのままの勢いでまた吹き飛ばされる

それでハッとしたAが

『っ"蝶廻"！！』

再び蝶を呼び出し

体をぶつけるギリギリで衝撃を緩和する

虎杖「っ蝶狐、大丈夫か、？あっ血が！！」

『ご、めん、虎杖…今冷静じゃなかった』

虎杖が彼女を庇ったとはいえ

飛んできた瓦礫まで防ぎきれてはいなかった

その瓦礫で強く頭をぶつけたらしく

たどたどしい言葉で謝罪した

Aの意思で蝶が優先したのも

虎杖の負傷を防ぐこと

本来なら蝶達は全力で体を張ってAを守るのだが

それを拒否したのは彼女だった

『いたどりも、血出てる…』

虎杖「いや、俺はお前と蝶が

庇ってくれたからこんくらい軽いよ！！」

虎杖「(蝶狐…俺が弱いから、必死に庇って

女なのにこんな傷だらけだ

多分俺に気が向かないように態と

自分から攻撃も仕掛けてた

普通は俺が守ってあげる側だろうが！！？

あの蝶達だって本当なら

蝶狐を死ぬほど守りたいだろうに、)」