涙36粒 ページ38
桃「あ、来てくれたんだね、Aちゃん」
夜の用具室は暗い
電気もついていないが、月光だけが部屋に入り込んで一層不気味な感じを際立たせる
月光が私たちにあたる
目の前の彼女の顔が青白く、不気味に笑っていた
「何の用、ですか」
桃「…わかってるでしょ」
さっきの楽しそうな表情から一変、憎悪剥き出しの顏になる
桃「テツくんやみどりんどうやって誑かしたんだろうね?ほんと憎たらしい女」
「誑かしてなんかない」
桃「反論してんじゃねぇよ。あんたの態度によっては何するかわかんないよ?」
いわば青道野球部のみんなは人質のようなものだった
何をするかわからない
私と同じように情報収集能力を獲得した彼女が何をするかなんて想像するだけで恐ろしい
桃「ふっあんたも無様よね。怪我させた本人を親友だと思ってて裏切られるんだから」
「……は?」
じゃあ私を屋上から突き落としたのは
桃「そっ私♪元からあんたのこと嫌いだったし。これであんたの顔見なくて済むと思ってたのに……何で生きてんの?」
手近にあったボールを私に投げつける
彼女の信じられないほどの憎悪に私は怯んだ
桃「キセキから大事にされて、好意持たれて…なんであんたが!!あの場所は私のものよ!!キセキは私のもの!!!」
「…彼らは、ものじゃない!」
彼らはものじゃない
バスケをする道具じゃない
桃井さつきのものじゃない
誰のものでもない
彼らは少しバスケがうまい高校生なだけなんだ
桃「だまりなさいよ!!なんであんたが私より上なの!?私の方が可愛いし私の方がもっといい子なのに!!なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!」
「桃井さん……」
彼女の目が狂気に満ちていて血走っていた
ボールから何から何でも投げて私は思わず尻餅をついた
桃「マネージャーも何もかも捨てて早く消えなさいよ…だったら許してあげる」
彼女の笑顔がとても怖かった
これまで彼女の怖い笑顔なんてよく見てきたのに今までで1番怖い
「私がやっと見つけた大切な居場所を…簡単に手放さない」
すると彼女が急にとびかかってきた
意外にも力が強く全然体が動かない
桃「やめろって言ってんだけど…?」
「絶対っ、やめ、ない!!」
彼女の手が私に首を絞めだした
桃「じゃあ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ
意識が遠くなっていく
みんな
ごめんなさい
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彩花 - 鳴がよかった…\`д´/ (2015年3月21日 11時) (レス) id: 7735b59be3 (このIDを非表示/違反報告)
赤音(プロフ) - セリフや出番がすくない、川上センパイが出てきてうれしいです。 (2014年4月7日 4時) (レス) id: 8611c69c54 (このIDを非表示/違反報告)
帥帥 - 莠筝腑蕁障 (2014年4月1日 7時) (レス) id: bcb1f35d3a (このIDを非表示/違反報告)
ヒトゥ(プロフ) - 伊月先輩に一票で!! (2014年3月29日 22時) (レス) id: de9bf68707 (このIDを非表示/違反報告)
弓道ちゃん♪(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2014年3月29日 19時) (レス) id: e2b9a2bf53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷迷蝶々 | 作者ホームページ:http://mekakusi
作成日時:2014年3月10日 14時