Gray.145 ページ45
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青峰大輝、基キセキの世代の居る学校から先制点を取るなんてそれこそ同じキセキの世代かそれと同等じゃなければ無理。
それは、口には出さずともアンモクの了解のようになっていた。
「ダイキ、お前だけじゃねぇ。桃井も居んのに俺"だけ"で独りよがりに奪うだけしかできねぇとでも思ってたのかよ」
だからコイツらは俺しか桐皇から点を奪えないと思っていたのだろう。
その程度にしか思われていなかったなんて。
『先制点は福田総合!!』
そんな審判の声に歓声が響く、
「ナメやがって」
感情は怒りに傾くけれどそれとは裏腹に肩の力はゆっくり抜く。
リスタートの位置に戻り、再開しようとする試合。
桐皇の奴らは監督から選手、マネージャーまでがイレギュラー過ぎる先制点に戸惑いを見せていた。
「ナメてる余裕なんてねェよ。」
ダイキにボールが回され、すぐさま俺がマークする形になるとダイキもゆっくり肩の力を抜いた。
「っつーか、他の奴はともかく俺ぁ元からさつきの話とか聞かねぇし。
だからこれはナメてたんじゃなく…あー、あれだ」
細められた瞳。───目の前に、野生の豹が現れる。
真っ黒な豹がここの長だと言う事は誰が見ても分かる。
「お前以外は他に任せて大丈夫と思ってた俺の勘が外れた」
「それをナメてるっつーんだけど!?」
「だからナメてねーよ。…様子見の時間取りすぎたって事だ。───もういいわ」
ワントーン低くなった声。
目の前の黒豹の目がギラリと光り開かれた口からは鋭い牙が覗く。
その瞳に射止められたら足を止めてしまいそうで
けれど止めたらその瞬間に噛み付かれる。
野生、か。
"まだ"野生か。
「…やっぱナメてんじゃねーかよ」
小さく呟いてからゆっくり、ゆっくり息を吐いて
そして、俺もダイキを見つめ、そして目を細める。
────何の前触れもなくダイキが走り出した。
初めて感じた野生の豹が横を走り抜ける感覚に背筋が凍り、じわじわと熱を取り戻し
そして、やっと振り向いた頃にはもう、ボールはゴールを潜っていた。
「…な」
野生。能力上昇。───こんなにも恐ろしいのか。
いや、そこじゃない。
振り向いたらもうシュートはネットを潜っていた。
つまり、モーションは全く見れなかった訳だ。
「…んだよ、ビビったか?」
ダイキのニヤニヤとした笑みに笑みを返す事も出来なかった。
作戦か、無意識か。
──見れなきゃ、奪う事は出来ねェ。
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ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» てめぇも灰崎も◯ね、カッコよくねぇわあんな奴。キセキバカにすんなよ。クソバカ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - こんな奴が叩かれないのが私は本当にムカつく (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 何がリク主の特権だよ!!作者はテメェの道具じゃねぇんだよ!!テメェにリクする資格とかねぇわそんなに見たけりゃ自分で書けば?マリイミリイキモい◯ねウザい自分の意見を押し通すな。迷惑考えろ!二度とリクすんな!占ツクやめろ、ネットやめろ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» キャラに様つける奴キモいし、ウザい。氏ね (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 吐き気するなら見るなよwwwバカ発言多くて草 (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:由麻 | 作成日時:2018年12月26日 1時