Gray.134 ページ34
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別に疚しい事をしてるとかではなく
ただ邪魔だから退かそうとパジャマを掴んだだけで
けれど掴んだそのワンシーンだけみたら疚しい事をしようとしか思えない訳で
そういうシーンの時にタイミング良く本人が部屋に入ってくるってのは漫画や小説にありがちらしいが
「……何してんの」
さて、そのワンシーンは俺にもやってきたわけだ。
何なの?お約束なの?俺悪い事してねぇしパジャマ退かそうとしただけだからそんな冷たい目で見んの止めてくれませんかね?
今にも手に持たれた熱々の卵粥をぶっかけられそうで怖い。
とりあえず持ってたパジャマをそっと元の場所に置いた。
どんな制裁が来るかと怯えていると、聞こえたのはため息だった。
「…まぁ。今回は熱のせいって事にしてあげる。
パジャマを朝のまま置きっぱだった私も悪いし」
そしてテーブルにお粥を置くと「食べて話し終わったらすぐ帰ってよね」と言った。
そしてスマホを手に取るとAは腕時計を見ていた。
その時計はよく見たら二つ付いていて、初めて見た物のはずなのに何故だか時差時計だとすぐに分かった。
「虹村先輩に電話するから、静かに食べてね」
そう言って、Aはスマホを操作して耳に当てると反対の手の人差し指を口元に当てた。
まるで子供扱いされてるようで少しだけ腹が立ったけれど
俺は素直にお粥を食べる事にした。
…普通のお粥だ。
目の前のお粥に対して出てきた感想がそれだった。
「…美味そ」
とか思って食べたお粥は普通に美味くて。
静かにと言われたし夢中になって食っていると会話も無くなり
お互いが喋らなくなった空間で、コール音だけが小さく響いた。
それは三回目で途切れて、電話特有の曇った虹村の声が部屋に響く。
『A!大丈夫なのか!?』
よっぽど心配していた事だけは伺えた。
普通に大丈夫だし寝てただけだしさっきまで俺の目の前で飯食ってましたよコイツ。
とは言えないのでお粥を食べつつ耳を傾ける。
「ふふ、それは何に対しての大丈夫ですか?」
『灰崎から全部聞いた。ショックで泣いてんじゃねぇかとか思って。
連絡しても全然返事も折り返しもねぇし』
「泣いたどころか泣きすぎて寝ました。
けどさっき起きてご飯食べたら元気出たのでとりあえず灰崎くんの風邪が治ってから一発蹴り入れようと思ってます」
『ひと思いにやれ。中学ん時も教えたが人間の急所は…』
ちょっと待て何か恐ろしい会話になってねェかオイ。
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ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» てめぇも灰崎も◯ね、カッコよくねぇわあんな奴。キセキバカにすんなよ。クソバカ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - こんな奴が叩かれないのが私は本当にムカつく (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 何がリク主の特権だよ!!作者はテメェの道具じゃねぇんだよ!!テメェにリクする資格とかねぇわそんなに見たけりゃ自分で書けば?マリイミリイキモい◯ねウザい自分の意見を押し通すな。迷惑考えろ!二度とリクすんな!占ツクやめろ、ネットやめろ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» キャラに様つける奴キモいし、ウザい。氏ね (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 吐き気するなら見るなよwwwバカ発言多くて草 (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:由麻 | 作成日時:2018年12月26日 1時