Prolog ~名探偵コナン~

幼馴染【降谷零】 ページ24

…なんで私が辞表を出すことを決意したか。

まぁ、至って単純な理由である。

1つ目。もう私も29歳、現実を見る歳である。今までは｢まだ若いから大丈夫｣、と色々なことを諦め先延ばしにしてきたがそうもいかなくなってきた。この歳で彼氏ゼロはやばい。…さすがゼロ所属だな？やかましいわ。

2つ目。これは私の彼氏いない歴=年齢に関係することだ。
私はずっと、小さい頃から降谷さんのことが好きだった。零、零、ってついてあるって、降谷さんもA、って優しく微笑んでくれて。
きっと、いつか両想いになれる、なんてファンタジーな事考えてた。
まぁ、現実はそう上手くいかない訳で。高校時代も何人か彼女がいたみたいだ、すぐ別れてたけど。

私は元々警察官を目指していたのもあって今の今までずっっっと降谷さんと一緒にいたが、悲しいことに私が降谷さんの恋愛対象に入ったことは1度もなかった。
いつも幼馴染、妹、そんな感覚。

いつまで経っても気づかない降谷さん。そんな彼の隣にいるのが辛くなってきた、それだけだ。


……なんて最低な理由だろう。
もちろん、警察官を目指していた時から愛国心に溢れていたし、この警備局警備企画課に配属されてから日本の平和に尽くしてきた、自分の仕事に満足していた。


でもやっぱり、私も女だ。好きな人と一緒になりたい。

私は、降谷さんのそばにいたらきっと降谷さんしかみれない。だったら離れてしまえばいい。新しい恋を見つければいい。そう思ったのだ。


『本当、自分のことしか考えてない、最低女ね。』


ふっ、と自嘲気味に笑って車を走らせた。

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