【ハイキュー×暗殺教室】音駒のマネさん。

アイツの姉。 ページ9

芝山side

今日は早く来すぎたなぁ。まだ体育館開いてないかも。





バシィ！

「…女子とは思えねーよーなサーブだな」

「…おはようございます夜久先輩」

体育館から強烈なサーブの音。夜久さんと朝篠さんの声。

聞いちゃダメな気がするのに、僕はそっと2人の死角を縫ってコートの端に行く。

そこから2人の話を聞いてる。


…夜久さん顔真っ赤。朝篠さんの事意識してるのかな。朝篠さんは…ダメだ、まるでスルー。


すると夜久さんが核心を突く質問をした。朝篠さんは瞬時躊躇い、そして、

「…“コート上のメイド”と呼ばれる選手を御存知ですか？」


“コート上のメイド”？その選手って確か、女子ユースのメインセッターだ。


梟谷学園3年。セッターにも拘らず様々な能力がズバ抜けていて、それでいてプレーは超がつく程献身型。スパイカーの100%を“引き出す”なんてモノでは無く、“どんな相手も初球から”打たせる技術で有名な選手。性格も献身的で主将というよりお姉さんの様なんだとか。…確かその名前は。

「…朝篠水月。私の姉です」

「お姉さん…だったんですか！？」

思わず大声を出してしまった。こちらに気づいた夜久さんと朝篠さん。…おはようございます。

「来ていたなら声を掛けて欲しかったです」

ま、続けますね、と朝篠さん。…遮っちゃってごめん。





「私は姉と一緒にバレーがしたかった。それで姉からバレーを教わったんです」

小学校の時に始めて、たまに遊びに来た従兄弟の人達とも一緒にバレーして。

お姉さんの献身型プレーはその頃からだったんだとか。

2対2で来たサーブをAさんが(朝篠さんが2人いるからややこしくなった)拾って、お姉さんに返し、お姉さんのトスを打つ。それが基本プレーだったそう。



「…ま、姉が中学の部活に入ってから忙しくなって、あまりバレーしなくなったんですけどね」

自嘲気味に笑う朝篠さん。選手ではなく、支える存在でいたい、だからマネジャーが良い。

それが朝篠さんの今の望みなんだとか。







「！早いですね！」
「やっくんとAチャンじゃん。抜け駆け禁止！」
「るっせー黒尾！違うわ！」
「名前呼びやめろ下さい。大体、芝山君いるじゃ無いですか」

そう言いながらコッチに来る朝篠さん。…身長差が気になるんだけど。




「本当に可愛い…少しは見習えば良いのに」

「…可愛いは止めて。僕も男だから」

全-芝朝(微笑ましいな、彼奴ら)

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