【ハイキュー×暗殺教室】音駒のマネさん。

まるで猫の様な。…ってアレ？ ページ32

研磨side

「…しっかし寝顔も可愛いなコイツ」

「だね〜…ってん？何でプリン君の所で寝てんの⁉」

青城のツンツン頭の4番がうっせえクソ川！コイツ起きちまうだろーが！と拳を落とす。

…静かにしてくれないかな。というか皆離れて欲しい。







皆の喧騒もつゆ知らず、Aはその無防備な寝顔を晒している。


寝てると一層目立つ。その艶のある黒髪とか、華奢な体とか。

ちょっと香るのはシャンプーなのかな。優しい花の匂い。





その頬にそっと触れてみる。

「ん…にゃぁ…」

ちっちゃい吐息が漏れる。まるで子猫の様に。




「プリン君ずーるーいー！及川さんだって触りたいのに！」

「珍しく気が合いますね、及川さん。俺もですよ」

げっ国見ちゃんも⁉とかいう向こうの主将がうるさい。








…というより、こんなに狙ってる奴居るんだ。

クロと夜久くんは何となく分かってたんだけど。

まさか他校まで居たとは。








俺は別にコミュニケーションが得意な訳じゃない。むしろ苦手。

女子マネ2人と多少話せてるのは間違いなく同じゲームをしている、という共通点のお陰。

特に神崎はそう。…でもAはちょっと違う。




入学式の日にぶつかったのが出会いだった…なんてベタすぎるけど。

向こうは全く気づかなかったみたいだけど、こっちは既にその存在を知ってた。






“入試満点の天才美少女”

今年度の入試後に急速に出回った噂。

何でも、今年の入学希望者には名門私立校から3人も願書が来ていて、その内の1人が他の追随を許さないレベルの天才だったらしい。

ちらりと見かけた奴の情報によると黒髪の美少女。

入学式の前の教科書配布の登校日に見に来た奴は多かったとか。








…そんな娘と関わる事になるなんて ましてや今目の前で寝ているなんて、想像もつかなかったけど。

こうしてみると、美少女である事に変わりはない。ないけど、

「…やっぱり猫っぽい。可愛い…」

ぽろっと溢れた言葉。横からこっちを見てた夜久くんも頷いてる。

夢でも見てるのだろう、時々何かを呟いている。

たまにハッキリとした言葉になるけど…









「…あか…あしせんぱい…」

…え…今 …？

「コイツ…今“赤葦先輩”って言った…よな？」

隣の夜久くんも不思議な顔。赤葦って梟谷の副主将で正セッターの赤葦だよね、多分。

でも…接点無くない？

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