雑愛された少女は狙われています【HQ】

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「とりあえず、聞きたいことがたくさんあるんだけどさ。」


『そ、そうだよね・・・！』




私の向かい側の椅子に、京治が座る。






「A・・・なんで、稲荷崎にいるの？」




『それは・・・』





・・・私は京治に、今まで転校していたことすら何も話してこなかった。




『・・・去年色々あって、今はおばあちゃんの家に住まわせて貰ってるの。』







そう言うと京治は、少し眉を下げた。




「・・・なら、せめて連絡くらいして欲しかったな。」



『ご、ごめんね。ちょっと連絡しにくくて・・・』



 



私が口ごもると、京治は私の手をぎゅっと握った。




優しく触れられて、つい胸が高鳴ってしてしまう。




 



「・・・なんか、嫌だなこの距離感。俺たち昔から一緒にいたのに。」



『だ、だってそれは京治のせいで・・・！』




 





・・・私たちは、小さい頃から一緒に過ごしてきた仲。




だけど、中学を卒業した日、私は京治から思いを伝えられた。




それを受け入れられなかった私は、以来まともに京治と話せなくなってしまった。







 






「・・・ねえ、悪いけど俺も悪化したみたい。」



『え？』





 

 


「今のA、前よりもずっとかわいい。」





・・・多分、この人は相手をドキドキさせる天才なんだと思う。

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