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教室中が笑い声で賑わう中、独りだけ俯いて座っている少女がいた。
彼女の名前はAA。
髪は、せっかく綺麗な黒髪であるのに、手入れされているとは言い難い。
まつ毛の長い大きな目も、光が見えない。
机には何かの液体。
それは、つん、と鼻につく臭いを放っている。
｢ちょっとぉ、臭いんですけど｣
｢早くなんとかしてよねー｣
４、５人の女子が意地の悪そうな顔で罵る。
A(自分達で撒いたくせに...)
Aは自分のハンカチで机を拭き始めた。
相変わらず俯いたままで、表情は分からない。
｢やべえ、女子こえー｣
｢あの液体大丈夫なの？塩酸とかじゃないよな？｣
Aに罵っていた時よりワントーン高めの声と、満面の笑みで彼女たちは返す。
｢家庭科室から持ってきたの！漂白液ってかいてあったから大丈夫でしょ｣
｢あいつにはぴったりの液体でしょ。わざわざ探して来たんだからね｣
｢漂白液とかまじウケるんだけど！かわいそー｣
ケラケラと笑いながらあの人達は教室を出ていった。
それを見届けたAはハンカチを握り締め、誰も居なくなった教室を後にした。
相変わらず、俯いたまま。
表情こそ見えないものの、その背中は、哀しそうで、淋しそうで。
＊ ＊ ＊
A(やっとひとりになれた)
こんな生活が、ずっと続いている。
この生活には慣れない。
今も、これからも。
苛める側に｢慣れ｣があったとしも、苛められる側には｢慣れ｣なんてものは無い。
漫画とかだと、こういう所で恰好いい男の子とか、優しくて可愛らしい女の子が助けに来てくれたりするんだろうか。
現実は甘くない。
いつも馬鹿にされ、苛められ、教室の隅でこころの中で泣いているような私に、手を差し伸べてくれる人がいる訳が無い。
面倒事に関わりたくないと思うのが、人間なんだから。
わざわざ自分から、危ない目に会いに来る人間なんていないから。
生きる希望のある人間が、わざわざ自分から車にはねられに来るの？
A(もう帰ろう)
窓の外から聞こえる運動部達の掛け声、オレンジ色の夕日を背に、独りぼっちの少女が歩いて行った。
こころの中で、大粒の雨を降らせながら。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
１話お読みいただきありがとうございます！
小説の説明のところにあるように、苛めなどの表現が出てくると思います。
それでも読んで下さる方がいらしたら嬉しいです。
これからも宜しくお願いします！
ラッキーキャラ
日向翔陽
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中楯悠里(プロフ) - 梓さん» 米ありがとうございます！こんなに早く米来るとは思ってなかったので、ガチ嬉しいです涙 (2015年7月25日 12時) (
レス) id: 7520dae078 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - あと、イラストうまいですね・・・！１０分とは思えないクオリティーです！！ (2015年7月25日 11時) (レス) id: ff932eb128 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - 一話読んだだけで引き込まれました！！すごくいいと思います！これからも頑張ってください☆ (2015年7月25日 11時) (レス) id: ff932eb128 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中楯悠里(×ｹﾞｰﾑにて改名) | 作成日時：2015年7月25日 11時
