〇 ページ3
何を言ってるんだこいつは。
叫びたくなったが辞めた。
「友達…かな?」
「ふーん、そ」
こいつから聞いてきたのにその態度はなんだ!
ムカつく思いを隠し笑うと目をそらされた。
「俺のことは?」
はい。地雷。
そんなことを聞かれてもどう答えればいいかわからなかった。「いや、嫌いだわ」と言えたらいいものの、自分の評判が下がるのだけは困る。
「…秘密!」
嫌味全開で笑いながら言って教室から立ち去った。後ろから彼の声が聞こえるが関係ない。嫌でも「好き!」とか「大切な友達だよ!」なんて言いたくなかった。大嫌いな彼に言えるわけがなかった……
AAが去った後、教室ではザワザワと噂をする声が聞こえる。それほ越前とAの噂だった。
彼女は笑うのが上手なのか下手なのか、どう笑っても可愛らしいとしかいいようがない。たとえ、嫌味ったらしく笑ってもそれは微笑みにしか見えないのだ。
お互いに微笑み合う姿。傍から見たらそれは両思いにしか見えない。それを疑う人このクラスに誰一人いなかった。
噂が飛び交う中、堀尾は越前リョーマに近づくとニヤニヤした顔でこういった。
「嫉妬したんだろ?俺に」
そう言えば彼は少しだけ頬を赤に染めた。口元を見れば少しだけピクピクと。
そのわかりやすさとテニスをしている時の越前リョーマのギャップの差。恋とはこれほどまでに人を変えてしまうのかと、堀尾は心で思った。
39人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月3日 22時