合宿前オリエピ-遂に犯罪者？-2 ページ36
下に着き、扉が開いた瞬間転がり出るようにして外に出る。人の気配、大丈夫。
青みがかった近未来的な廊下の、右の奥。視線で素早く確認して、人が来る前に、早く、早く、早く！
もたつきそうになる手で腰につけられた道具から、筒状のそれを取り出す。かちりとボタンを押して、廊下へと放り投げた。更にもう一つ、少し離れたところにも精一杯投げる。
あっという間に廊下は煙だらけになる。これなら、私の姿は見えたとしても影だけだ！
チョーカー型変声機、男の声、最大出力！
『火事だーーーーーー！！！！！』
叫ぶと、慌ただしく足音や扉が開く音が聞こえてきた。
「うわっ、煙だ！」
「ひいい、死にたくない！」
「煙を吸い込むなよ！」
「早く逃げよう！」
「待ってくれ、研究資料が！」
私は廊下の隅に縮こまる。目の前をばたばたと人の足音が通り過ぎていく。
他にも色々な方向から人が出てくる。数分もすれば静かになる。私は人がいなさそうなのを感じて、薬が置かれた部屋へと向かった。
扉は閉まっており、横に数字を打つ場所があった。私は携帯にコードを繋いで、その機械へと繋ぐ。
私携帯魔改造しすぎじゃない？ 機械が予算的に買えないからなあ！
少し指を動かせば扉は簡単に開いた。
中は入ると、仰々しく、鉄なのか何なのか分からない素材で台座が置かれ、その上に透明なガラスのようなものの中に薄ピンクの液体があった。青みがかった部屋の中のせいか、どこか光っているようにも見えて、人によっては神秘的に見えたのかもしれない。私はごめんだが。
「‥‥あった」
これが、天使のロゼ。
イナズマイレブンには到底につかわしくない、人体に害を及ぼすドーピング剤。
私は、腰に下げた小型釘打ち機をガラスへと添えた。両手で引き金を引くと、ガンという音と共に釘がガラスへと打ち込まれる。釘の周りに放射状にヒビが入り、そのヒビからじわじわと薬が滲み出た。
私は間髪入れずに、更に二発それへと打ち込む。放射円が重なり、やがて薬が砕けたガラスを押し流し溢れ出た。
足元へと薬が広がっていき、みるみるうちに薬は無駄になっていく。
「‥‥やった。やった！ 他に薬の保管場所は無いし、そう簡単に作れる薬じゃない」
つまり。
「少なくとも、次の試合には、アフロディ達には投与できない！」
安堵のため息を吐いた。座り込みそうになるのをぐっと堪える。
「あとは、研究資料でも、見つけようかな」
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黒牡丹(プロフ) - 焔さん» 好みと言っていただけて本当に嬉しかったです。書けないことになれば、とにかく頭の中に思い描いていたネタだけでも箇条書きにしてでも投稿はするつもりです。嬉しく優しいお言葉、本当にありがとうございます。 (2020年7月23日 12時) (
レス) id: 51616291f0 (このIDを非表示/違反報告)
焔 - 黒牡丹さん» レスありがとうございます。黒牡丹様が帰ってきてくださって、今の心境を教えてくださっただけでも嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 3ce071c9ce (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 焔さん» コメントありがとうございます。お話の続きを私自身が書くのは無理だと悟ってしまいました、申し訳ありません。なんとかして、彼女の物語を完結させたいと思います。どうか、よろしくお願いします。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん» コメントありがとうございます。何度もコメントしてくださっていたのに、本当に申し訳ありません。私の手から離れるかもしれませんが、それでも一度思い描いた物語として皆様の元に届けたいと思っています。読んで頂いて、本当にありがとうございます。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます。こんな形でのコメント返信申し訳ありません。せめて、物語として皆様の目に触れるようにしたいと思います。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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