18.約束 ページ18
.
.
「本日は、お越しいただきーーーー」
神宮野球場。
東京都大会 決勝 青道高校対稲城実業高校
『…うー、緊張してきた…』
「お前がしてどーすんだよ」
隣には真田。
連れてこれたのが彼だけで。
ーーーー「稲実って、そんな強い奴らが集まるチームなんだろ?
だったら、余計戦ってみたくなる」
一年前から、御幸一也はそういう男なんだ。
約束の日。
「プレイボール!!」
そして、試合開始の合図がなった。
.
.
.
両選手もはけて、あれほど盛り上がっていた観客席にもほとんど人がいない。
『………………』
「………………」
「…………俺もう帰るけど、」
望月どうする?真田に聞かれて、先帰っててと言う。
「送りましょーか?」
『このあと用事あるから』
「じゃ、また明日」
そして、私は、青道側のスタンドで、
ひたすらぼーっとスタジアムを見つめていた。
最後の最後に登板してきた鳴を、
青道打線は、最後まで捉えることができなかった。
1年生サウスポー。
私の幼なじみで、腐れ縁。
たくさんの女の子から黄色い声援を浴びる彼は、
本当に、私の知ってる鳴なんでしょうか?
ーーーー「後悔したって知らないよ?」
…………絶対しないと言い切った私。
もし、稲実に入ってたらーーーー
ーーーー「俺の隣でニコニコしてりゃあ、他よりいい思い、出来ると思うけど?」
鳴って、いいなあーーーーー
「そんなところで、何してんの?」
『…?』
『………………御幸、くん』
.
.
459人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月6日 0時