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「…鳴ちゃん」
ずず、と俺の作った味噌汁を啜って、Aが一言。
オホンと咳払いまでつけて。
「こんな辛いお味噌汁飲んでたら塩分過多になるよ」
「なら作ってみろよ現役女子高生」
呆れ半分に頬杖ついてそう言うと、「ふふふ…」とAは笑って腕まくりして、
「仕方ないなぁ!美味しすぎてひっくり返らないでね!」
「ごめんそれは死んでもない」
晩飯係を居候に押し付けることに成功しました。
すげえ鼻歌歌ってる。
そういえばどっかで聞いたことあるような、たぶん最新のポップスなんかを口ずさみながら、
トントン料理を作る音が聞こえる。
あれ、女子高生に料理作ってもらうって、
わりとマジにレアじゃね?
居候させてる甲斐があるなとか思いながらソファに座っていたら聞こえたのは、恐ろしい言葉の羅列。
「味噌汁といえばトマトだよね〜」
……………トマト?
「あ、チーズあるじゃん。入れよ」
…………はい?
「バターも入れちゃえ〜」
3つ目の恐ろしい食材が聞こえた途端、スッ…と音もなく立ち上がった。
逃げよう。あんなもん食わされたら明日の試合に支障が出る。
何より不味いなんて言ったら絶対あいつ泣く。
それはそれでダメだ色々と。
最善策は逃げる、そう逃げる。
「鳴ちゃん〜〜〜〜?できたよ〜〜〜?」
「………………あ、うん」
「どーしたの?なんか買い物?」
「……………いや?」
「なんだぁ〜どうせなら食べてから行きなよほら!」
テーブルにつかされ、ゴトリと置かれたのは恐ろしい食材が使われた味噌汁だった。
目の前にはキラキラ嬉しそうなAの顔。
その視線を浴びながら腹を括ると、
「うまいよ」を練習のように頭の中で連呼しながら、死ぬ思いでその液体をすすった。
「……………どう?」
「…あれ。ちゃんと美味い…」
「ちゃんとって何!!ひどいなもう!!」
普通に全部食い切った。
「私の家では毎朝これだったよ」
「お前実はハーフ?」
「純日本人です」
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クッ〇パッドにて。美味しいらしいです。
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すぅ。(プロフ) - いまだに見てます( ; ; )成瀬ちゃんとすたさんの書く鳴ちゃん本当に大好きです( ; ; ) (2021年5月24日 22時) (レス) id: acb47aa965 (このIDを非表示/違反報告)
める - 最近見始めたんですけど、ほんとに楽しませて貰ってます!!成宮さん凄く可愛くて大好きです! (2021年3月30日 16時) (レス) id: 7337478d02 (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - この小説、可愛くて大好きです!元々鳴ちゃんが好きなのですが、その中でも特に好きです!これからも無理なさらずに、更新頑張ってください!応援しています!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: bd72f4a22e (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 更新待ってます!!!応援します!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - あの…フラグ作品でも、「にゃんにゃん。」が見たいです!お願いします!!「にゃんにゃん。」を復活してください!! (2017年1月6日 20時) (レス) id: 48413e65b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるすた | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月23日 20時