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「何作ってんの?」
外で晩飯を食べて家に帰るとまた甘い香り。
キッチンに立つAの後ろから手元を除くと、慣れた手つきでカップケーキを作っていた。
「鳴ちゃんには関係ないけどカップケーキ作ってる」
「前から思ってたけどお前ちょこちょこ女子っぽいよな」
「鳴ちゃんには関係ないけど女子力は人並みにあるよ」
「ソレ誰にあげんの?」
「鳴ちゃんには関係ないけどクラスメイト」
「……」
「……」
「おい」
「なに」
つーんとそっぽを向いたまま、俺の方を見ようともしない。
なに、やっぱ朝のことまだ怒ってんの…?
てかそもそも俺が悪いの?アレ。
「『鳴ちゃんには関係ないけど』って何」
「だって関係ないじゃん」
「怒ってる?」
「別に鳴ちゃんが外で彼女とご飯食べてきたからって怒ってないもん」
「怒ってるし、彼女いねーよ」
俺の言葉にAはピタリと固まって、
くるりと振り返ると俺の顔をじっと見た。
はい、近い。離れます。
「ほんとに?」
「え、どれ?」
「彼女いないの、ほんと?」
「ほんと」
「ほんとのほんと?」
「ほんとのほんと」
ちゃんと目を見て頷く俺が気に入らないのか、
Aはむーっと頬を膨らませてパチッとテレビをつけた。
「じゃあアレは何?」
「はあ?どれ──」
「『成宮鳴熱愛!お相手は局アナ!?』だって」
「……アレは何?」
「こっちが聞いてるんだけど!!」
えええ、全然身に覚えないんですけどー…。
考え込む俺とは裏腹にAの目はみるみる涙をためて。
「ほら!やっぱり彼女いるんじゃん!鳴ちゃんのバカ!!」
「いないっての。つーかお前は俺の彼女か何かかよ」
「っ、ど、どうせ私は、」
あ、やばい。これは間違えた。
「どうせ私は、鳴ちゃんのお荷物だもん」
「いや──」
「ただの居候だし、特別顔が綺麗なわけじゃないし、」
「まぁ、…え?顔?」
「スタイルだっていいわけでもないし!」
「スタイル?え、何の話?」
「私みたいな子供より、あーゆー女の人が好きなんでしょ!!」
それだけ言うと作りかけのカップケーキを置いて、部屋にバタンっとこもってしまった。
残された俺は呆然と立ち尽くす。
「……どういうこと??」
あいつ何に怒ってたの?
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すぅ。(プロフ) - いまだに見てます( ; ; )成瀬ちゃんとすたさんの書く鳴ちゃん本当に大好きです( ; ; ) (2021年5月24日 22時) (レス) id: acb47aa965 (このIDを非表示/違反報告)
める - 最近見始めたんですけど、ほんとに楽しませて貰ってます!!成宮さん凄く可愛くて大好きです! (2021年3月30日 16時) (レス) id: 7337478d02 (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - この小説、可愛くて大好きです!元々鳴ちゃんが好きなのですが、その中でも特に好きです!これからも無理なさらずに、更新頑張ってください!応援しています!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: bd72f4a22e (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 更新待ってます!!!応援します!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - あの…フラグ作品でも、「にゃんにゃん。」が見たいです!お願いします!!「にゃんにゃん。」を復活してください!! (2017年1月6日 20時) (レス) id: 48413e65b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるすた | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月23日 20時