▼ ページ11
.
「…なにやってんの、お前」
鏡の前で、変な動きをするAに苦笑い。
や、変な動きってか、わからなくもないんだけど。
「おっこれはいいところに現れたね鳴ちゃん」
「ソフト?」
「そう。体育で」
「どこ守ってんの」
「ショート!!」
えっへへん、と胸をそらして言ってみせるA。
意外も意外。ショートってそこそこの奴がやるポジションじゃんか。
こいつ意外と運動できたのか。まあ料理も人並みにできたし、女子の体育なんてお遊び半分だもんな
「俺が指導してやろうか。直々に」
「成宮さまの指導が受けられるなんて光栄です♡」
「俺の指導は高いよ?」
「1泊晩御飯付きでどうですか?」
「いやここ俺の家。飯はつくれ」
「うぃーっす…」
ぶつくさ言いながらも、Aとともに外に出た。
夕方の外はまるでナイターみたいで、
比較的明るい公園に行って、ボールが見えるのを確認してさあスタート。
「いいかとりあえず送球だ。とったらこう!」
「とったらこう!」
「すげえおぼつかないけどまあいーや…ボール投げるから一塁に返球するつもりでそっち投げろ」
「ガッテン!!」
それから簡単なゴロを気合十分なAに向かって投げて、一塁側に俺は走ってーーーー
「あ」
思っきしトンネル。ミスったAはなんとか拾って投げるけど、それも明後日の方向へ飛んでいき、
ボールは見知らぬお宅の庭に消えた。
俺とAはその状況を「……」と二人黙って眺めた。シュールだった。
それから何度かやったけど、依然Aはへったくそなままで、ついに俺はこいつに詰め寄り、
「ねえほんとにショート?ピッチャーに迷惑しかかけないショートじゃねーかおい」
「う……だからこうして練習を…」
「とりあえずもう帰るよー。俺天才だからさ、ヘタクソの気持ちってわかんないんだよね」
「うわめっちゃムカつく!!!」
その日の晩飯に俺の嫌いなものとことん使われた。
.
486人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すぅ。(プロフ) - いまだに見てます( ; ; )成瀬ちゃんとすたさんの書く鳴ちゃん本当に大好きです( ; ; ) (2021年5月24日 22時) (レス) id: acb47aa965 (このIDを非表示/違反報告)
める - 最近見始めたんですけど、ほんとに楽しませて貰ってます!!成宮さん凄く可愛くて大好きです! (2021年3月30日 16時) (レス) id: 7337478d02 (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - この小説、可愛くて大好きです!元々鳴ちゃんが好きなのですが、その中でも特に好きです!これからも無理なさらずに、更新頑張ってください!応援しています!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: bd72f4a22e (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 更新待ってます!!!応援します!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - あの…フラグ作品でも、「にゃんにゃん。」が見たいです!お願いします!!「にゃんにゃん。」を復活してください!! (2017年1月6日 20時) (レス) id: 48413e65b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なるすた | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月23日 20時