139.乗換 ページ10
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「この話、誰がどう聞いても御幸が悪いよ」
「ほーら」
『どこが?!』
机をひっくり返さんばかりの私に、平畠が言う。
「元々彼女いるくせにほかの女に…言い方悪いけど要するに乗り換えてる。どう考えても御幸が悪い」
『………私は、』
重たい口を開く。平畠の言ってることは確かに正しい。でも。
そうじゃなくて、
「あの女が悪い、って思ってる?」
その言葉に、思わず顔を上げると、
平畠は「図星?」と言って笑った。
「望月が思うのも無理ないよ。御幸のことは恨みたくないだろうし」
平畠がそう言うと、真田も腕を組みながら言う。
「女の世界だとそうなるかもな。なぜか浮気した男でなく浮気相手を恨む」
「もう呪った?わら人形突き刺した?望月」
「うわやってそう」
『やってねえよ』
ひたすら私をいじるスタイルですかね。
もう慣れたけど。
「…俺は、御幸のことはもうすっぱり諦めるのがいいと思う。望月にはもっと合う人がいるって」
『鳴とか言うんでしょ?』
「いや真田」
『…は?』
平畠、それ、本気なのか冗談なのかわからないんですが。
「俺としては、真田と望月は相性バッチリだと思うけど」
私と真田は、思わず顔を見合わせて固まって、
「だってよ望月。どうする?付き合っちゃう?」
『彼女いるでしょーが!!』
「そうだっけ?」
『そうだっけぇ?!!』
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2016年2月16日 17時