166.親指 ページ37
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「お前らほんと仲いいよなー、付き合ってんの?」
『あはは〜、ないない』
「こいつ、まだ成宮と付き合ってるんだぜ」
真田が私のことを親指でさして笑う。
「高3から大学3年の今まで超ラブラブ。俺なんかが付け入る隙もないって」
「御幸はどうしたんだよ」
「やめてやれよ!振られたんだよ!」
『違います!!私が振ったの!!誰も信じてくれないんだから…』
「誰も信じるわけねえだろそんな話…望月ずっとそれ言ってるけどよ…」
うんうん頷く元部員ども。所詮3年間の付き合いだとそんなものなのだろうか。
私が一也を振ったことなど誰も信じてくれない。
まあちょっと屁理屈に近い振り方だったけど…
『あの一也が私にゾッコンな時期だってあったんだからね。あの一也がだよ?今プロ入りして活躍中だよ?』
「望月ってこんなうざかったっけ?」
「あーむかつく御幸!!活躍しすぎてむかつく!!!」
そのまま話題は一也のことに移っていき、部員達は他のテーブルについてまた騒ぎ出した。
再び静かになったテーブルで私は両肘をつけてはぁと息をついて、ずるずると頭を下ろしてテーブルに突っ伏した。
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2016年2月16日 17時