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141.釘付 ページ12
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「…俺まだ高校生なんだけど」
外は暗くて、ガヤガヤうるさかった寮内も静かになってくる時間。
お風呂上りの彼はわしわしタオルで髪を拭きながら、
ベッドにもたれるように座る私の前に立つ。
「いーの？言っとくけど俺ドーテイだよ？」
「いいわよ」
「泣かすよ？絶対痛いよ？」
「…あなたにもっと近づきたいの」
はらりと身体に巻いたタオルを床に落とすと、浮かび上がった私の身体に彼は釘付けになって、
気づいたように目をそらして、赤くなった頬に手を当てる。
「…私じゃ足りない？」
「…や、むしろ充分すぎるくらい…」
「なら悩むことないじゃない、」
ーほら早く、
立ち上がって、彼の顔を両手で包み込みながらそう言うと、
食らいつくように御幸くんは私に唇をぶつけて、綺麗な手が身体を履い回るように肌をなで回す。
熱く熱くキスして、ベッドに座った私を押し倒して、
たぶん彼は本能のままに。
綺麗な月明かりと、ベッドの脇に置かれた二つの眼鏡。
たくさんたくさんキスをする、甘ったるい初めてを、
私と彼は何かに取り憑かれたみたいに、その行為に没頭した。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年2月16日 17時
