140.泥棒 ページ11
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「「それはその女が悪い!!!!」」
お昼休み。机をくっつけてお昼を食べていて、
なんとなく一也とのことを話したら、女友達2人はがっつく勢いで声を揃えた。
「なにそれ?!大人のくせに人の男盗むとかありえない!!」
「とんだ泥棒猫だよその教師!!色仕掛けでもしたんじゃないの!!」
あまりの2人の勢いに思わず目をぱちくりさせて固まった。
すごい、真田や平畠と全く反対の意見だ。
それでいて、全く持って、私の言いたいことを代弁してくれている。
『…やっぱそう思う?』
「当然。とんだ昼ドラに巻き込まれたよねモッチーも」
「まああの御幸一也くんならありえなくもない話」
……もしかしたら、一也だから、擁護したいという気持ちも湧いてるのかもしれないけど。人気だし…
真田や平畠は全く反対の意見だよとか言ってみたいけど、
戦争が起こりそうなのでやめておく。
「モッチーという彼女がいるのわかっててその女教師は御幸くんに近づいたんでしょ」
「御幸くんも優しいし、きっと放っておけない事情があった」
「そして弱みを全面に押し出してその女は、モッチーから御幸くんを奪った」
「なんって狡猾な女…………!!」
ヘドが出るわ、とでも言いたげな顔で2人は言って、
初めて同意見と出会った私は思わず笑った。
『ありがと、2人とも』
「……自信持ちなよモッチー。まだチャンスはあるよ」
友達の1人が、声を潜めて私に言った。
「巨乳で色仕掛けしたんだか知らないけど、そんな重たい恋愛長くは続かないよーーーー、
教師との禁断の恋なんてスリルが楽しいだけ。
すぐ飽きるよ、そんな女のこと」
「やだもー、昼ドラの見すぎ」
ケラケラ2人が笑い出したその時に、ちょうど、予鈴が鳴って、私達は机を戻して席についた。
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作者名:すた | 作者ホームページ:
作成日時:2016年2月16日 17時