131.悔恨 ページ2
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試合終了後の私たちは、かばんを集めてみんな悔しそうに顔を歪めてて、ひたすら重たい空気だった。
顔にタオルをかけた真田がぼやく。
「あーくそ…。負けたぁ。
…強すぎだろあいつら…」
「ああ…勢いで押し切れるほど甘い相手じゃなかったな」
呆然としている。
クリーンナップに回る前に、三振に切ってとった鳴のピッチング。
「……………悔しいっすね、
なんか甲子園で負けた時より、ずっと悔しいっす」
真田の言葉に、顔を上げたのはたぶん私だけじゃない。
だって、この人の口から悔しいなんて言葉が。
「負けて元々じゃなく、勝つべくして勝つことの難しさ」
監督はもうすでに、
「勝負に絶対はない…、絶対はないが、後悔しないだけの準備は出来る」
その言葉に、むくむくと何かが、
夏までの逆算、残された時間を数えて、
「甲子園の浮かれ気分を吹き飛ばしてくれた稲実に感謝しなきゃな。…くそったれ。
さあけぇーるぞ！！やることやってりゃ夏なんてすぐだぜ！！！」
その言葉に、ずーっと顔を歪めてたうちの4番が拳を握って、
「イナ実！！！成宮メイ！！！まとめてぶっとばーーーす！！！」
うちはたぶん、もっと変われる。
同じように悔しそうにする新1年生を見ながら、
悔しい気持ちと、これからに期待する気持ちと。
変わらなきゃ勝てない進めない。
夏には、どんなチームになっているのかな。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年2月16日 17時
