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Diary14 眩しい、けれど好ましい。 ページ15

週が明けた月曜日の昼休み、俺は屋上で一人空を眺めていた。いつもなら神崎が来ているが今日は図書の当番が急に入ったと言っていた。なんでも本来の当番がインフルエンザにかかってしまったとか。

休み時間に会った時、神崎は随分げっそりとした顔をしていた。昨日家に帰ってから従兄にゲームの相手として付き合わされたそうだ。余程年下なのかと思ったら一つ上らしい。「あいつアメリカ人なんで……珍しいらしいんです、日本のゲーム」とは神崎の弁だ。

大学受験も終わった今、三年生は重圧から開放されたこともあって階段からははしゃぐ声が聞こえてくる。うちは進学校でもあるからはめを外すバカはいないがまだ箸が転がっても楽しいお年頃、笑い声が昼休み中絶えることはなかった。

放課後、もう傾いている太陽に照らされながら校門を出る。寮の退去まで一ヶ月弱、そろそろ荷造りをしなければいけない。思えば長いようで短い三年間だった。特に最後の一年は。俺らしくないそんなことを考えながら道を歩いていく。

「あれ、黛さん?今帰る所ですか?」

後ろからかけられた声に振り向けばそこには神崎がいた。駆け寄ってきた神崎が俺の隣に並んで歩き出す。

「聞いてくださいよ、クラスでインフルがもう三人出てるんです。それでテストが迫ってきてるのに先生が範囲がどうのこうのってボヤいてました。なんか先生達の中にもインフルにかかっちゃった人が出てるみたいで」

「そりゃ大変だな。予防だけはきちんとしとけよ。インフルかかってテスト受けられませんでしたとかシャレにならないからな」

主に課題的な意味で。前に風邪をひいてテストを受けられなかったやつが代わりの課題にヒーヒー言っていたのを見たことがある。気をつけます!と神崎が意気込んでそう言えば、とこちらへ視線を向けた。

「今週の金曜日、バレンタインですよね?チョコ頑張って作りますから!楽しみにしといてくださいね、黛さん!」

そう言って笑う神崎は本当にキラキラとして輝いていた。"今"を楽しんでいるやつの表情。少しばかり眩しいそれにそっと苦笑して寮への道を歩いた。

Diary15 本番は迅速に行動せよ。→←Diary13 面倒臭い相手は何故かこちらの都合を知らない。



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黛夕那(#・∀・#)(プロフ) - あの、初めの千尋saidで神崎葉月ってでたんですが… (2019年9月1日 12時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
ゲスでゲス - かぁいい作品をありがとうございました・・・ (2018年8月26日 9時) (レス) id: ed4900357a (このIDを非表示/違反報告)
カコ - すごく可愛かった。キュンとした。素敵な作品をありがとう。 (2018年7月22日 21時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
マリア - 続読めたいです (2017年9月26日 10時) (レス) id: 8569ec9184 (このIDを非表示/違反報告)
葉隠叶芽(プロフ) - 飛鳥さん» ありがとうございます!なるべく早く書き上げられるようにしますので楽しみに待っててください! (2017年7月7日 23時) (レス) id: 0edaa43e99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉隠叶芽 | 作成日時:2017年3月23日 20時

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