気まぐれな猫【血界戦線】 (ページ10)

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１０匹目ページ10

「Aっ！！」

『チェイン……っ』

スティーブンへの連絡を終えたAは、ザップの病室で椅子に座って俯いていた。

そこへ、駆けつけたチェインが入室する。

「……居るのは猿だけ？レオは…」

『レオは、連れて行かれちゃった……。
私がもっと早く動けてたら、助けられてたのに……っ』

ギュッとスカートを握り締め嗚咽を零すA。

チェインは何も言わずAを抱き締めた。

「Aは何も悪くないわ。
大丈夫、レオは必ず連れ戻すから」

チェインはそう言って、スティーブンさんに連絡してくるね、と席を外した。

再び一人になったAは、ベッドで輸血されているザップを見る。

そこで、異変に気付いた。

ザップの手には、彼が愛用しているジッポが握られていた。

こころなしか、輸血パックの血液の減りが早い。

”一応手は打ったが上手く行くかどうか保証はねぇ、犬女の鼻だけが頼りだ…。”

『……っまさか』

Aは病室から飛び出し、チェインを探し走り出した。