過去 ページ37
ダリカ side
『ダリカ』
凛とした声。
呼んでいるのは私の名前だ。
切「…シオン様」
『こんな所で寝ると風邪引きますよ。』
切「そうですね…今日は肌寒いですから、シオン様も早くお部屋に戻られた方がよろしいかと」
『そうね。おやすみなさい、ダリカ』
資料を整理しながら寝てたみたい…
窓、開けたままだった。
切「………」
やっぱり私はあの人が苦手だ、嫌いだ。
名前も口に出したく無い。
どうしても好きになれない。
だって私よりも優れている人だから。
私は士官学校で一番の成績だった。
男でも私に勝てる人は殆ど居なかった。
筆記試験でも、体術の試験でも私に勝てる人は居なかった。
私は軍に入り、あの人の部下になった。
すぐに、抜かせると思ってた。
だけど私は、あの人に１つも勝てなかった。
資料の整理も、情報収集も、知識も、武術も、身体能力も、人からの信頼だって。
１つも、勝てなかった。
憎い、その力が。
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い。
いっそ、殺してしまえばどんなに楽な事か…
でも、私はあの人を殺せない
返り討ちに遭ってしまうかもしれないから。
だからまずはあの人の心を殺す事にした。
悪い噂を作った。
「蒼の女帝は国を騙している国賊だ。」
女なのに幹部だったから元々反感をかっていた事もあり、直ぐに噂は浸透した。
だんだんあいつは弱っていって、部屋から出なくなってきた。
そうだよね、そうだよね！
みんな、お前の事が嫌いだもの。
外に出れば石を投げられ、泥をぶつけられ、罵声を浴びせられる。
「味方は私だけですよ。」
私だけがあいつを嫌悪せず、優しく接する事で暗に私はそう言っていた。
私はあいつを殺す事にした。
屋上に呼び出した。
『ダリカ、話って何？』
あいつは前と比べて痩せていた。
腕も、足も細くなっていて顔に浮かべた笑みには普段の余裕が無いように見えた。
切「シオン様…」
消えて欲しい。
お前は何でまだここに存在しているの？
ほらほらほら、お前を慕っていた部下も愛してくれた幹部様ももうお前の味方じゃないのよ！！
だから、お願い。
切「死んで下さい」
そっと押すだけで簡単にあいつは落ちていった。
ドンッと鈍い音がした。あいつは頭から血を流して死んでいるだろう。
青い月がやけに綺麗に見えた。
やっと、殺せた。
やっと、死んでくれた！！
私が一番なの！！
私が、私が、私が…！
ガンッ
頭上で鈍い音がした
私の意識が暗転する。
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冷兎 - 全部いい(？)ENDでよかったぁぁぁ！！！ (2021年8月15日 9時) (
レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
ナキア - ↓書いたときに見えてなかったから書き直したら２つ出たからひとつ消していいですよ (2019年8月2日 22時) (レス) id: 8a3e8a56f7 (このIDを非表示/違反報告)
ナキア - 栄養失調さん» 7月20日辺りまでは完結でしたよ(小声) (2019年8月2日 22時) (レス) id: 8a3e8a56f7 (このIDを非表示/違反報告)
ナキア - 栄養失調さん» 7月20日辺りまでは完結でしたよ(小声) (2019年8月2日 22時) (レス) id: 8a3e8a56f7 (このIDを非表示/違反報告)
栄養失調 - 狐さん» 完結では無いですよ、更新停止中ですよ(小声) (2019年8月1日 20時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白鯨 | 作成日時：2019年4月11日 18時
