【薄桜鬼】トリップ少女の泡沫恋物語

泡沫４ ページ6

貴方「私１人が死ぬので、美菜は助けてください」

美菜「Aっ！」

土方「本気で言ってんのか？」

貴方「これが冗談に聞こえますか？」

　 本心は死にたくないよ

　 私が犠牲になる事で美菜が助かるならそれでいい

沖田「ふ〜ん。土方さん、本人もこう言っているんだしいいんじゃないですか？」

土方「…いいだろう。刀は持ってるみてぇだしそれを使え」

　 私は自分の懐から刀を抜き、首筋に当てた

美菜「待って！私が死ぬからAは死なないで！」

　 美菜…、やっぱり大好きだよ

貴方「土方さん、お願いを聞いて下さりありがとうございます」

　 頭を下げ、美菜の方に向いた

貴方「私の分まで生きてね。念願のトリップが叶ったんだから」

美菜「Aがいないと、そんなの意味無い！それに夢叶えないまま死んでいいの!?」

　 夢か…、そんなの

貴方「美菜が生きてればどうでもいい」

沖田「夢…?」

貴方「何でも無いです。…こんな形になってしまったけど新選組の皆さんに会えて光栄でした」

　 私が憧れた、信念を曲げない誠の武士達…

貴方「美菜、バイバイ(微笑)」

美菜「A…っ！！」

　 (ボタボタ…ッ

貴方「ぇ…」

　 思いっきり刀を首に滑らせたはずだった

　 なのに斬れているのは私の首ではなく…

藤堂「A、怪我はねぇか？」

貴方「何で!? 手から血が…っ！」

　 何で私を庇うの？

原田「あちゃ〜、平助に先を越されちまったな」

　 原田さんまで…っ

藤堂「土方さん、俺は本当に信じていいと思う」

土方「何故そう言える？」

沖田「…嘘なんかついてたら、親友の為に死んだりなんかしないからでしょ」

土方「総司…」

　 沖田さんも信じてくれてたの…？

沖田「でも、Aちゃんが死なないと美菜ちゃんは助からないんでしたっけ？」

藤堂「…っっ」

　 やっぱりどうしたって無駄なんだ

貴方「少しでも信じてもらえただけで充分です…。約束通り私は…」

土方「死ななくていい」

　 土方さん…？

土方「全部じゃねぇが信じてやる」

　 生きていられる？

沖田「よかったね」

　 美菜と一緒にいられる？

藤堂「やったなA！」

　 夢じゃない…

貴方「ありがとう…ございます…っ」

　 私はまだ美菜と一緒にいられる…

　 夢を捨てずに生きていけるんだ

泡沫５→←泡沫３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す