【薄桜鬼】トリップ少女の泡沫恋物語

泡沫２９　沖田side ページ31

今回、僕は屯所で待機していた

　池田屋で戦って負傷したから

　あの時Aちゃんが守ってくれた…

　だからその分今回はしっかり体を休めて、次に備えようと思った

藤堂「暇だよな〜」

　当然、僕と同じで負傷した平助も一緒

藤堂「A達、大丈夫かなぁ〜」

沖田「…平助が心配しなくても大丈夫だよ」

藤堂「そうかなぁ〜」

沖田「何がそんなに心配なの?」

　そう聞くと、平助は少し考えて

藤堂「美菜はともかく、Aっていろいろ溜め込むからさ〜」

　それを聞いて少し納得した

沖田「Aちゃん、両親が火事で亡くなってるからね…」

　その他にも前に１人で悩んでいたような時があった

沖田「僕、ちょっと外に行って来るね」

藤堂「あ、俺も行く!」

　僕達は外に出て皆の帰りを少し待っていた

　すると聞こえてきたのは土方さんと千鶴ちゃんの焦ったような声

沖田「土方さん、どうしｔ…?!」

　僕は目を疑った

　目に入ったのは土方さんが抱えてる女の子

沖田「Aちゃん!!」

藤堂「Aどうしたんだよ!」

　平助も焦っていた

土方「話は後だ!とにかく早く部屋に連れて行くぞ!」

　土方さんのあとに続いた…

　急いで敷いたぐちゃぐちゃの布団の上に寝かされるAちゃん

　その表情は苦しそうだった

沖田「ねぇ、何があったの?」

　近くにいた千鶴ちゃんに尋ねた

千鶴「天王山から、長州の人達によって燃やされている京の街を見たんです…」

土方「思い出しちまったんだな…」

沖田「亡くなった両親の事ですか…」

　Aちゃんにとって１番辛い事…

　僕も幼い頃に親は亡くなってるけど…

　僕には親代わりっていうか、兄のような近藤さんがいた

　だから、ここまでこうして過ごしてこれた

　Aちゃんには美菜ちゃんがいたのはわかってる

　けど……

美菜「A!!」

藤堂「美菜…」

沖田「Aちゃんは今、寝てるよ」

　美菜ちゃんは土方さんに１つ聞いた後

　思い詰めた顔になったのを僕は見逃さなかった

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