【薄桜鬼】トリップ少女の泡沫恋物語

泡沫２６ ページ28

私は土方さんと共に天王山に向かっていた

　そして、橋にさしかかった時だった

　橋の上に１人の男…風間千景

　隊士の１人が横を通り過ぎようとした時だった

　風間が刀を振り上げる

土方「おい!」

　キィィィン…!

　刀と刀が当たる音が響いた

貴方「いきなり、随分な挨拶ですね」

風間「貴様、池田屋の…!」

　私は自分の刀で隊士が斬られるのを防いだ

土方「A!大丈夫か?!」

貴方「私は大丈夫です」

　心配した土方さん達が駆け寄る

隊士「ありがとうございました」

貴方「無事で何よりです」

　そしてもう１度風間に向き直る

風間「新選組か…相変わらず野暮な風体をしている」

土方「何者だ」

貴方「池田屋で総司と戦っていた人です」

　それを聞いた土方さんは更に身構えた

　永倉さんは土方さんの指示で先に天王山に向かった

貴方「貴方は新選組が手柄だけを求めていると言った」

風間「あぁ。長州侍の誇りを理解せんからな」

貴方「確かに誇りは大事だけど、それで人を傷つけるのは間違ってる!」

　侍としての誇り、でも人間としても誇りを持たなければいけない

貴方「それに貴方の目的は新選組の足止めだけじゃない事も知ってる」

風間「…」

貴方「私達は貴方の思い通りにはならない!例え、人じゃないとしても」

　土方さんと千鶴ちゃんは何の話かわかっていない

　この人達が鬼のことを知るのはまだ先だから

風間「おい貴様「そこまでです」…」

　この人は…

天霧「薩摩藩に与する我等が新選組と戦う意味が無い事くらい百も承知の筈」

　天霧九寿

天霧「お初にお目にかかる、この度は風間が失礼を…私が詫びましょう」

貴方「いえ…」

　風間は不服ながらも、天霧と共に消えた

土方「A、あいつらの事を知っているのか?」

貴方「池田屋事件でも会いましたから」

　まだここでは話せない

土方「そうか…。天王山に向かうぞ…!」

貴方「はい…!」

　橋を抜け、天王山に急いで向かった

　永倉さんの言う通り長州藩の人達は切腹をしていた

　皆は戦い一区切りついたと、気を抜こうとした時だった

隊士「街が燃えてるぞ!長州の残党が火を放ちやがった!」

　ドクン…っ

貴方「…っ、…ゃ…!」

千鶴「Aちゃん…?」

貴方「いやぁぁぁ…ッ!!!」

土方「おいA!どうした?!」

貴方「…っ、いやぁぁぁ!」

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