【薄桜鬼】トリップ少女の泡沫恋物語

泡沫２３ ページ25

左之さんは美菜が好き…

　それは前から何となくわかってた

　美菜に『俺は美菜みてぇな女も好きだけどな』

　そう言ってたのを聞いた

貴方「どうして告白しないんですか?」

原田「お前かなり直球だな」

貴方「回りくどいの嫌いなので」

　好きなら告白すればいいのに

原田「美菜は斎藤が好きだろ。だから邪魔したくなくてよ」

　そ〜いう事か…

貴方「でも、左之さんが遠慮する必要はないと思う」

原田「何でだ?」

貴方「美菜は確かに一君が好きだけど、それは恋愛感情かわからない」

原田「…?」

貴方「私達は未来で皆の事を知った。だから、それが恋愛とは限らない」

　薄桜鬼の中で好きなのが一君

　恋愛感情の中で一君が好きだとはわからない

貴方「気持ち伝えないまま、誰かの恋を見守るなんて私は出来ない」

原田「そうなのか?」

貴方「だって好きになった人を思う気持ちは負けたくないって思うから。それに私、そんなに
　 性格よくないから♪」

　一君は美菜の事が好きかもしれない

　美菜も恋愛感情で一君が好きかもしれない

　でもそんなの、聞いてないんだからわからない

原田「Aがそこまで言ってくれてんのに、俺が何もしないわけにはいかねぇな」

貴方「うん♪」

原田「美菜がAの事、大好きって言いまくってる理由がよくわかったぜ」

　まぁ、もちろん

貴方「私も美菜大好きだから!」

　だから、ちゃんと幸せになってほしい

原田「これから、少しずつあたってみるとするか！」

貴方「左之さん、頑張れ」

原田「ところでA」

貴方「何ですか?」

原田「お前は好きなヤツ、いねぇのか?」

　…は?

　好きな人…?

　私に好きな人がいるかって事?

貴方「い、いませんよ!」

原田「でも美菜がお前、よく告白されてたって言ってたぞ」

　あの馬鹿美菜…

貴方「自慢じゃないですけど、それは未来での話だし…」

　この世界でモテるとか、天地がひっくり返ってもないわ

原田「その様子じゃ、あいつらは大変だな」

貴方「あいつら…?」

原田「人の様子には鋭いのに、自分の事は鈍感だな」

　あ、何かそれよく言われる

　私のどこが鈍感なの?

原田「まぁAも、俺みたいに悩む日がくると思うが頑張れよ!」

貴方「あ…、はい」

　左之さんは楽しそうに戻っていった

貴方「どういう意味だろう…??」



　

泡沫２４→←泡沫２２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す