【薄桜鬼】トリップ少女の泡沫恋物語・第２章

泡沫３９ ページ10

貴方「美菜…」

　どこかで聞いた事があるような懐かしい名前

　聞いた事があるだけじゃなくて、何回も自分で呼んでたような

貴方「…」

　何で何も思い出せないんだろう

　大切な何かを忘れているかもしれないのに

　私のせいで誰かが傷ついてるかもしれない

藤堂「A入るぞ」

　誰だろう…

藤堂「えっと、俺は藤堂平助ってんだ!」

貴方「藤堂さｎ「平助でいい!」平助…?」

藤堂「あのさ、…」

　平助は何か言おうとすると、黙ってしまった

　私も何も言わずに待った

　すると…

藤堂「俺、Aとは知り合いなんだ。ここにいる皆そうだけど」

貴方「はい…」

藤堂「他の皆はわからないけど、俺Aにはゆっくり思い出して欲しい」

　ゆっくり…?

藤堂「お前は優しいから」

貴方「私が?」

藤堂「あぁ。だから自分のせいで誰かが傷ついてるかも…なんて思ってるだろ?」

　何でそれを…

藤堂「不思議そうな顔すんな!ずっと一緒にいたんだからわかるって！」

貴方「ずっと一緒に…?」

藤堂「俺はAの事好きだから尚更な!」

貴方「好き?」

　平助は言い切ったとでもいいたいように笑った

　私の中では平助と会うのは初めてだけど…

貴方「お日様みたい…」

藤堂「お日様?」

貴方「平助の笑った顔、お日様みたいであったかい」

藤堂「//何か照れるな…///」

　やっぱりそうだ

　何も覚えてないけど、何かを知っているような気がする

　私が思い出すのを拒んでいるのかな

貴方「平助」

藤堂「何だ?」

貴方「前の私はどんな感じだったの?」

藤堂「前のAって、記憶を失くす前のAだろ〜」

　前の私はどんな感じだったのか知りたい

藤堂「そんなに変わんねぇけど、ずっと優しいままで強い奴だぞ」

貴方「強い?」

藤堂「おぉ!剣術なんてすげぇぞ!!」

　私、刀を使えるんだ…

貴方「私、やりたい!」

藤堂「稽古とかか?」

　私は頷いた

藤堂「じゃあ土方さん、ここの偉い人に聞いとくな!」

貴方「ありがとう」

藤堂「急にどうしたんだ?」

貴方「いや、ただ少しでも思い出すためにやってみようかなと…」

藤堂「そっかそっか!一緒に頑張ろうな!」

　平助は笑顔で私の頭を撫でて部屋から出て行った

・

・

・

貴方「早く思い出さないと…」

　それで親友に会いたい

　前の自分を取り戻したい…

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